最近の映画音楽を5つ分析。サウンドの傾向などについて

2016年〜2018年の映画音楽を5つほど、とても簡単にですが分析してみました。

映画=オーケストラっていうイメージはやっぱりありますが、曲の作り方とか音作りとか年々変化してるなーって思います。派手になってるというか。

早速みてみましょ。


分析する映画5つ

今回分析する映画は次の5つです。まぁまぁ多様かな…?
・StarTrek Beyond – 2016
・Dunkirk – 2016
・Blade Runner 2049 – 2017(ややこしい
・Black Panther – 2018
・Rampage – 2018

全体的に言えるのは、低音がズドォォォォンと出てるなーということ。30Hz以下、20Hzまできっちり出してるんだろうなって感じます。
あと映画の内容に合わせて本当に音色を考えてるって気がします。別々に聞いてみましょう。

StarTrek Beyond – 2016

一つ目はSFの金字塔、Star Trekの(新しいシリーズの)3作目、Beyondです。
こちらはテーマから劇伴まで、オーソドックスなオーケストラだけでまとめられてるなっていう印象。なんか、これぞ映画音楽だよ!みたいな。メインテーマのモチーフもところどころで出てきます。音色もオーケストラのみでまとめられていて、シンセは全然使ってないんじゃないかな…?という感じ。

新しい音って感じはなく、それのせいか映画全体に古さを感じます。ただそれは「スタートレック」っていう、長ーーいシリーズだからこそなのかなと。変に新しくしちゃうと逆に雰囲気崩しちゃうというか。

せっかくなので3作品見ました。めっちゃ面白い。

Dunkirk – 2016

次はHans Zimmerの手がける、ダンケルクです。ぶっちゃけてメロディもコードもよくわかんない、ホワンホワンした音が続く不気味な雰囲気です。ダークナイトシリーズでも結構ふわっとした雰囲気のものが多かったのですが、いよいよ「音楽」としてはどうなんだろう?みたいな感じになってきましたね。
MasterClassの話だと、シンセでなんとも言えないドローン系の音を自分で作って、何かしら自分でサンプリングして…って音を作ってるはずです。音的には唯一無二感あって凄いです…何がどうなってんだ…。

ぶっちゃけてサントラだけ聞いてると退屈です。ドローンがモワーンって鳴って、ストリングスがガリガリ引いたりズゥゥゥンって鳴ったり、シンセがギュイーンギュイーンって鳴って。なんだこれ?って感じはあります。
ただ映画と合わせて聞くと、これらの意味は非常に重くなって。
ダンケルクそのものはドラマではなく、「戦争に巻き込まれた体験を映像化したドキュメンタリー」に近く、終始戦火にハラハラするものになってます。その雰囲気をより強めるのが、この音楽という。だから単体だと漠然としてて意味が分からない。

今まさに勉強中なんですけど、インタラクティブミュージックはハンスの曲の作り方が凄く合うのかなーって思ったり思わなかったり。本人は監督と飲みに行って、どこに曲当てるかだけを決めてるらしいんですが、まぁそんなことはどうでもいいです。私はHans Zimmerの音楽が好きです。

Blade Runner 2049

あれ、これもハンス関わっとる。ここまで紹介したものとは全く違って、ほっとんどシンセの音だけでオーケストラっぽい壮大な音楽を作ってます。これがシンセの耳にきつい鋭さとか重さとか、そういうの感じない。この辺、個人的には凄いなーって思った(小並感
ダンケルクと曲のアプローチが似てるというか、音楽として攻める感じでなく、雰囲気を作っていくって感じがします。なんか怖い感じ!みたいな。変にメロディとかリフとか作るより、こういう練習した方がいいのかなぁ?空気を作る音楽、SEに近いもの。

テーマソング的な部分は弱いんですが、「映画のサントラ」としての効果が凄く強くある。残り2つ紹介しますが、個人的に一番学びたいことはこのサントラにある気がしています。音色的にも新しく感じるし、音作りとか吸収したいです。

Black Panther

4つ目。今の所、今年一番の売り上げをマークしているマーベルの映画、ブラックパンサーです。コードの動き、リズム、盛り上げ方と、これこそ映画音楽!マーベル!って感じがしますね。もうカッコいい。
音色的にも面白くて、オーケストラを主体にしつつアフリカ系の楽器を混ぜつつ、後半はTR-808みたいなシンセドラム、シンセベースでクラブミュージック的な要素も入れてきます。この音色の入れ方すっごい面白い。
過去のアフリカ音楽、現代のヒップホップ的な音楽と、どちらも民族性を意識しているというか。音楽だけ聴いていても、どこの国の物語なのかが伝わって来る気がします。

オーケストラ曲としても聞き応えあるんですが、音楽での民族の表現というか、そういったことも非常に勉強になるサントラです。

Rampage

凄く今時のオーケストラ曲って感じが強いランページが、今回の最後です。コード進行をザクザクっと刻みながら、太鼓がダンダンと鳴りながら、展開していく感じとか。もうめっちゃ大好きです。
音色的にはエピックなオーケストラに、ジャングルを感じさせるボーカルのフレーズがたまにってくらいで、フレージングとか展開の仕方とかに新しさを感じます。シンセもたまにヴィィィって入るくらいです。
Epic orchestral musicの勉強にはとてもなる。スケールとか使ってるのか、音の動きがフツーのマイナースケールじゃないのは分かります。すっごいカッコいい。

“Space"って曲が特に好きです。宇宙空間で巨大ネズミから逃げるシーンなんですが、曲も合間って凄くハラハラします。


派手な傾向か、雰囲気を作る傾向か

大雑把に分けるとこうなるのかなーって。
前者の派手なものってのは、本当に最近の傾向ですよね。リフと太鼓でガツガツ攻めて、派手な展開になって。Brian Tylerとか最高です。

後者はHans Zimmerが関わってるものになりますが、こういうのどんどん増えていくような気がします。古いのだと「2001年宇宙の旅」は現代音楽家のリゲティとか採用してましたし、雰囲気重視の曲によるアプローチってのは、今に始まったことではないですし。

新しい音といっても映画の内容によっては合わないこともあるので、必ずしも良いとは限りません。その辺は監督と相談になるんですかね?以上、最近の映画音楽の傾向まとめでした。

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Posted by ilodolly