オーケストラミキシングテクニック。リバーブで距離感を作る

08/10/2019

今回はオーケストラのミックスで一番困る、リバーブのセッティング、理由、具体的なミックス方法などを紹介します。

2018年現在のアニメやテレビドラマなど、国内の音作りの傾向を聞いてると結構ドライな音なので、もしかしたら参考にならないかもしれません。

国外は割とウェットなので、そっちの音作りなんだろうなって思って読んでください。


リバーブは合計4つのトラックに分ける

やることを簡潔にまとめると、次の通りです。

  1. リバーブはERのみ、Late Reverb(残響)のみと2つに分ける
  2. ERを3段階で設定、それぞれ別トラックにする
  3. 3つのERトラックを1つのトラックでまとめ、Reverbをかける
  4. リバーブのかかった音、リバーブの量を調整して距離感を出す

実際、もっと分けていいかもしれません。Closeでも左側、右側とありますし、ViolaになるとCloseでも真ん中だったりしますし。

そこら辺は応用なので、今回はとりあえず基礎的なやり方を説明します。

リバーブをERとLateに分ける

センド、あるいはインサートでリバーブトラックに送りますが、その時ERとLate Reverb(残響)とトラックを2つに分けます。

ERは「その楽器がホールのどこで鳴っているか」を設定、Lateは「ホールの大きさ」を設定するためです。

どうしてもオーケストラという大きい編成の都合から、壁からの距離が楽器ごとに異なります。1つ1つ細かく設定するとよりリアルかもしれませんが…ぶっちゃけてそこまで聞き分けできる人もいないと思います。

ERを3段階で設定、それぞれ別トラックにする

そういった楽器ごとの位置をシミュレートするために、ERを3段階に分けます。内容は次の通り。

  1. 聞く側から一番近く、反響する壁からは一番遠いClose
  2. 聞く側から一番遠く、反響する壁からは一番近いTail
  3. CloseとTailに挟まれるMid

Closeはバイオリンなど、ストリングス系。いちばん手前に配置されることがほとんどですよね。ERのディレイを40msと、長めに設定します。

Midはブラス、ウッドウィンドなど、俯瞰視点で真ん中に配置される楽器です。ERは大体25ms。

Tailはパーカッション類など、一番奥に配置される楽器です。ERは4ms、それ以下になると壁にめり込むくらい壁に近すぎるという、ありえない状態になるので下げすぎないでください。

これらを設定したトラックのアウトプットはすべて、次に説明するFarというトラックに送ります。

3つのERトラックを1つのトラックでまとめ、Late Reverbをかける

ERのみかけたトラックを1つのトラックにまとめ、Late Reverb(残響)を設定します。これがFarというトラックです。ホールの大きさを設定して、どれほど音を残すかということを作ります。

好みもそれぞれあると思いますが、フルサイズのオーケストラなら、RoomSizeは10k超えでいいと思います。Farのアウトプットはまた別のBus(Aux)に送ってください。

ちなみに、ERとLateトラックどちらもステレオで作ることを忘れないように。やり始めの頃、全く気がつかずに設定していて、まるっきり響かなくて困ったことがあります…。

リバーブのかかった音、リバーブの量を調整して距離感を出す

各リバーブトラックが作り終えたところで、リバーブのかかっていない音源のセンドからClose~Tailどれかに送ります。送り先はERの説明を参照。

この時、センドは「プリフェーダ」で送ってください。リバーブのかかっていない素の音(Dry)とリバーブのかかった音(Wet)の量を調整することで、楽器との距離感を作るためです。

DryがWetより多いと、楽器は近く感じます。逆に、Wetを上げてDryを下げると楽器との距離を感じます。

Dry、Wetのアウトプット先は、1つBus(Aux)チャンネルを設定してまとめましょう。仮マスタリング用のマキシマイザーやアナライザーなどを挿しておくと、よりミックスがやりやすくなります。

オススメのリバーブ

後ほど私が解説した動画を張りますが、そこで使っていたWavesのTrueverbが1つ。バンドルのGold以降に収録されています。

他ですと、私がよく使っているEAReverb2、Valhalla Roomなどです。

よく使われるリバーブを6つ、比較してみました↓

【DTM講座】”打ち込み感”をなくして生演奏っぽくするテクニック


動画でも解説しています。

以上のことを動画で説明しています。動画内でも言っていますが、あくまでやり方の1つなので、もっといい方法があるよーとか、色々教えていただけるととても嬉しいです。

最近知ったものでは、JunkieXL氏は元の音源のマイキングをそれぞれ書き出して、音作りを追い込むってことをやっていました(Tomb raiderの解説シリーズのどれかで説明していた気がします)。マシンパワーに余力がある方は、そっちの方が自然かもしれません。

ではまたー

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Posted by ilodolly