ボーカルを上手に録るためのテクニック

ボーカルを上手に録るためのテクニック

前回の記事「歌の上手い人、下手な人の違いってなんだろうか。」がそこそこ好評でした。ありがとうございます!

今度は歌録りのテクニック…ってほどでもないんですが、なるべく上手に歌を録るために、私が行っていることを書きます。あくまで私が行なっていること、気にしていることなので、もっと何かあると思います。

また前提として、「歌う人と録る人は別」「歌をリアルタイムにモニターできる環境にいる」ということに気をつけてください。


やってること、気をつけること

大体、以下になります。
・マイクの角度
・歌詞やオケの雰囲気
・テンション
順番に説明します。

マイクの角度

ボーカルってのはなんともめんどうな人間で、気持ちよく歌える姿勢が人それぞれ違います。

…そんなこと言ったらコンポーザーもエンジニアも、気持ちよく作業できる環境ってのが人それぞれですね。私はあぐら掻きたい人なので大きめの椅子じゃないとダメです。

具体的な話をすると、テンション上がって上向きになる人、下向きになる人、やや前屈になる人とそれぞれです。今のところ上向きが多めかな?

その姿勢に対してマイクの角度を間違えると、声をちゃんと拾えず、くぐもってしまいます。ダイアフラムがちゃんと声を拾えないせいですね。

なので、どういう姿勢で歌っていて、どういった角度でマイクをセッティングすれば「その人の最良の声」を拾えるかを確かめることが大切です。

基準はシンプルで、マイクを通した時の声と、直接聞いた時の声とが近ければおkです。くぐもっていれば、角度を変えてみてください。

歌詞やオケの雰囲気

歌詞、あるいはオケの雰囲気に合わせた歌い方ってものがあります。これはまぁなんとなくわかることかと思います。

作曲した人なら「こういう風にしたい!」というものがあるはずなので、ボーカルと、あるいはエンジニアと共有しておくことが大切です。Aメロは静かに、ちょっと悲しげに〜とか、サビは元気に、でもあんまりハツラツしているより後ろめたさが〜とか。

作曲者がいない時は仕方ないので、その場できっちり決めていきます。

決まったら、それをエンジニアが録音中しっかりと聴くことが大切です。今の歌い方は曲を、歌詞を表現しているか?基本的なリズム、音程はあっているか。他諸々。

また、特に指定がないときによくやるのが「恐らく雰囲気と全然違う歌い方をしてもらう」です。これをやるとビシッと方向性が決まります。明らかに違ったら変えて、意外とハマるなぁと思えたらとりあえず録っておく。

それから、Aメロを1回目、2回目でちょっと歌い方を変えてもらう。少し声を張る、ブレスを多めにするとか。そうすると曲にメリハリが付いてきます。

テンション

マイクの角度、歌の雰囲気を決めるなど話してきましたが、最も大切なことは「ボーカルの機嫌を損なわせない」ことです。これが大変なんだ…。

悲しい雰囲気にしろ楽しい雰囲気にしろ、ボーカルのテンションが下がると全然面白くないものが出来上がります。まじで。

なので、エンジニア側はとりあえず褒める。なんでも良いから褒める。今日の服装、きゃわいいねー☆とか、君の声セクスィーだねぇ☆とか、無理して言う。無理とかじゃなく、言え。

もちろん歌についても評価する。「今の〜〜って歌詞の部分、凄く雰囲気出てる!」とか言いながら、「でも〜〜って歌詞の部分は音程ちょっと甘かったからもう一回!」みたいに、褒めつつ指摘する。そうすれば大体めげずに歌ってくれる。

めげずに歌ってくれるだけでなく、褒められているうちに段々良い声になってくる。恐らく自分に自信が出てくるから、だと思う。なので、例えボーカルに褒めるところがなくても褒めましょう。大丈夫、褒め慣れます。


テクニックは3つ

改めて言うと、
・ボーカルの歌い方に合うマイクの角度を見つける
・歌詞やオケの雰囲気に合う歌い方、表現を決める
・褒めちぎる
この3つです。

全然違う方法で、もっと上手く録る方法があるかもしれませんが、現状私が編み出したのはこんな感じです。他にも何か見つかれば、また記事にします。

今回はこの辺で。