劇伴制作の練習、私のRescoreまとめとレビュー
映像音楽、いわゆる劇伴(Film scoring)に取り組んで、レビューまでしてもらったという話を書きます。
嬉し恥ずかしの初体験はこちら:「劇伴制作の練習、私のRescoreまとめとレビュー(初)」
前置きになりますが、Rescoringに使った動画の映像、および音声の著作権は制作元にあり、非商用かつあくまで個人的な練習としてお借りしています。動画提供元は提供者の意向により、伏せています。また私が独断で動画、音声の配布は行なっていないということも添えておきます。
あと、しつこいようですが動画単体での共有もご遠慮ください。ほんとすいません。では張り切って…わっしょい。
今回Rescoreしたもの3つ
毎週、お題があるんですが、病気だったり用事だったりで何度かすっ飛ばしました。3回は参加しそびれたのかな…。
やったものは、
・アクション映画のトレイラームービー
・ホラー映画
・アクション映画
の、Rescoreです。今回はとにかく、自分の音、なぜ音楽が必要かってのを見つめ直したいい機会になりました。
アクション映画のトレイラームービー
例によって埋め込みも拒否設定ですので、大変お手数ですがリンクを飛んでください。
1つ目はトレイラーです。トレイラーミュージックってTSFHとかThe Immidiateとかってイメージ強いんですが…どうでしょう?それっぽさは意識しました。前に音作りに挑戦しておいたのが役に立ちました。
突っ込まれたことは1点。「トレイラーミュージックには必ずクライマックスがある。君の曲にはないので、その点だけ残念」とのこと。
…そういえばそうですね!しつこいトゥッティだったりでババーンと盛り上がる箇所があるような…あったっけ…?勉強不足ですね。
トレイラーミュージックはクライマックスを盛り込む。また1つ学びました。
ホラー映画
2つ目はホラー映画です。この映画、低予算だったって聞いてびっくりです。めっちゃ売れたじゃん!パラノーマルなんとかもそうですが、ホラー映画はアイデア次第なんでしょうか?
ツッコミというか、疑問というか。1点言われました。「こういったトラディショナルな音楽は効果的なんだろうか?」
彼の言う「トラディショナル」ってのは、John WilliamsやBernard Herrmannみたいに、オーケストラだけで作る音楽らしい音楽。今回作ったのもまぁ確かに昔からある手法だよね。フリーテンポのストリングス不協和音でイヤーな雰囲気を作る。
じゃあトラディショナルじゃない「モダンな」映画音楽って何か?というと、以前記事にした「シンセをガンガン使う」「ハッキリとしたメロディのない雰囲気だけの抽象的な」音楽。もちろん、モダンの答えは色々あると思います。
古臭さを感じさせない音作り、漠然とした雰囲気だけではない、具体的な意味のある音楽とは。なんかのインタビューで、確かHans Zimmerが「John Williamsはオペラ的な音楽家」と言ってました。やっべえ曖昧だな。
確かに、従来の映画音楽って音楽として素晴らしく、音楽の上に物語が展開していくオペラと共通点が多い気がします。的を得てる。
逆に、Hans Zimmerは1音だけのフレーズ、2音だけのフレーズと音数をめちゃくちゃ減らし、映像の意味やバックグラウンドを示唆する「舞台装置」的な音楽を開発してます。
作家は違うけど、"Avatar"のサントラ(作曲家はJames Horner)はもろにそれで、映像の雰囲気
・空気を強く表現していて、それだけで聞くにはかなり退屈。ちなみにこのサントラは、「James Hornerといえば」な笛の音が入ってるので、よくわかる。凄く掠れた太い「スフォフォフォフォ…」っていうあの音。
なんだか色々、物凄く考えさせられたコメントでした。
アクション映画
今回の最後のRescore。これは私からの、初めての「提案」です。
前半の忍び寄るシーンは「主人公の呼吸」を表現しました。至って冷静に、心拍数もあげず表情も変えずに忍び込むシーン。トクトク…と落ち着いた心臓をシンセで、いつでも戦闘体制に入れるような身構えをストリングスで表現しています。もう音楽っていうか効果音作ってやろう!って気持ちで作りました。
戦闘シーン。力強い2音だけのフレーズが続きます。これは戦闘が肉弾戦のみという、シンプルでスピード感があることから、2音だけのフレーズにこだわってみました。殴る、倒す。みたいな。
特に提案としては、主人公が倒れてから起き上がるまでの間。殴られてフラッとしたところで一回曲を止め、主人公が武器を取って起きるシーンでは止めたところから数秒、曲を逆再生して「もう一度戦闘に戻る」ことを表現しました。
曲がちょっと転調するんですが、それも攻勢逆転を意味しています。初めは襲われたけど、次はこっちが仕返しだ!という。今後、こういう表現は使っていきたい。
最後の敵が死ぬのを待つシーンは、前半と似たように冷静さを取り戻す様子を表現しています。
ということで、サウンド的にも作曲の仕方的にもだいぶ見直したのが今回です。
ここまで長々と解説する理由は、みんなが「これいいね!」「逆再生するところ、気に入った」「(テラスに敵を放り出すシーンへの)切り返しがいい!」しか言わないから!!なんかこう…もっと何か…あるやん!!!嬉しいけども!嬉しいけども!!!
古臭くない音、意味を持った音楽
オーケストラだけでの音楽は、ダメ。民族楽器を取り入れたってだけでも、ダメ。音楽として最高にいい出来!ってのも、ダメ。
ダメばっかり言ってますが、私個人が感じたことは以上で、もっとサウンドの研究をしなきゃなって強く思ってます。音作り、縦横の音の配置に意味があって、それでいてトラディショナルな雰囲気から脱していて。
今、また音楽の壁に頭を打ち付けてます。解決策募集中です。考えること自体は好きですけどもぉーー