Spitfire Audio LABSのレビュー【オーケストラ系のフリー音源】
Spitfire Audioからフリー音源「LABS」がリリースされました。
https://www.spitfireaudio.com/
以前のLabs、Trumpet fieldsやScary stringsなどを実は持っているんですが、今回のものはまた全然別でした。具体的に言うと、使いやすい。
リリースになったSoft PianoとStrings、どんな具合なのかをレビューしたいと思います。
Spitfire Audio LABSについて
新しいLABSについてまとめると次の通り。
・ダウンロード無料(要アカウント、登録も無料です)
・専用のサンプラーを使用
・コントロールはボリューム、ダイナミクス、リバーブ、タイトネス(ストリングスのみ)
・マイキングはおそらくClose
まず、ダウンロード無料ってのが良いですよね!ぶっちゃけてお金ないんで、すっごいありがたいです。パッと聞いた感じもさすがSpitfire、安い音ではなく実践的な感じがします。
またサンプラーはメーカーオリジナルのものを使っていました。Kontaktだろーなんて思ってたら全然見つからなくて、DAW起動したら見つかりました。スタンドアロンではなく、DAW上のみでの動作でした。
残り二つの項目は音源ごとにレビューしたいと思います。
Soft Piano
専用のサンプラーを起動すると、初めはピアノ音源の「Soft Piano」が起動していました。音源名をクリックすると、ダウンロードしたものがズラッと並びます。
ピアノ音源を読み込みました。コントロールは左からボリューム、ダイナミクス、リバーブとなります。またリバーブコントロールの真ん中を押すと、REVERBという文字が出ました。ストリングスでは別のものが表示されました。それは後ほど。
音は前に配布していたSoft pianoと同じ、角の丸い柔らかいピアノ音源です。ハンマーと弦の間にフェルトを挟んで作った音だそうです。柔らかいけど、しっかりとしたピアノの音っていう感じ。リバーブを0%にすると、結構デッド。
他の音源に負けそうなので使うには工夫が必要そうですが、これはこれで使いどころ多そうな感じがします。
Strings
続いてはストリングスです。アーティキュレーションは3つ。Short、Ensemble、Longです。キースイッチ等で切り替えはできないので、別トラックで音源を読み込む必要があります。
アーティキュレーションについて。
・Short…スタッカート
・Ensemble…ベロシティで奏法が変わる。強く押すとアタックが強いサスティン、弱く押すとアタックの弱いサスティン
・Long…アタックの遅いサスティン
恐らく、この中で一番使うのはEnsembleになるのかなぁという気がします。レガートするにもLongより繋がりやすさを感じます。
その他コントロールはピアノと同じなんですが、リバーブコントロールの役割がちょこっと異なります。
リバーブの真ん中、ちょっと出っ張ったところを押すと画像のように何やら二つ出て来ます。Reverbを選択するとリバーブ量を、Tightnessを選ぶと恐らくコンプレッサーなんですが、コンプのかかり具合を調整できます。それぞれ選択すると、円状のコントローラーのパラメータが変わります。ちょっとなんて説明すべきかわかんないんで、自分でいじってください。
ちなみに、Tightnessを上げていくと結構ぎゅっと締まる。アタックが短くなるので、バンドものとかに混ぜるときはがっつりかけた方がいいかもしれません。
音について。ぶっちゃけて結構使いやすい音です。フリーでこれを出していいんだろうか?って言うくらい。そこそこ音抜けいいし、太い。リバーブ量0%で、結構デッドな音です。さすがにこれだけで曲作りきるのは物足りない気はしますが、アンサンブルに混ぜると音の張りが付く気がします。
また鍵盤に境界線が書かれていませんが、音域に合わせてVL〜DBが当てられており、各パンが振られています。私が聞いた限りでの音域は次の通り。(音階は一番左をC0として数えています)
VL・B♭3以上
VA・B2〜B♭3
VC・B1〜B♭2
DB・C0〜B♭1
Bが境目って覚えておけば良さそうですね。B♭3のみ、VLとVAが同時に鳴りますので、そこだけ注意。
LABS Stringsの弱点
楽器ごとに分かれていないという音源の性質上、ここはVCで弾く!という細かい要望は叶えられません。そこを割り切って使う必要があります。せめて色付けして欲しかったかなぁ、とは思う。
ShortのE♭1、E1を強く早く押すと2回に1回、変な音が混ざってきます。何かをぶつけたような…カウベル…?早いパッセージで使うときは注意が必要です。コントラバスで早いものって、あんまりやらないかもしれませんが…。
それから、VAが左右でなってる感じがするのはこれ、VLと混ぜてるんだろうか?VAだけを使おうとすると、使いづらいかもしれません。
アーティキュレーション少ないのは、フリーなんで文句を言わない。
これから増えていく音源に期待大です
以前のLabsはふらふらぷるぷる鳴るトランペット、チャランゴといった民族楽器、ハーモニクスが鳴りまくるストリングスなど、独特の音色ばかりでした。それはそれで混ぜると面白いんですが、使いどころがやたらニッチ。
でも今回のLABSは結構、割と実践寄り。ぜひ民族楽器とかホルンとかオーボエとかコーラングレとかソロ音源とか出して欲しいですね!!!!!!!!
専用サンプラーもすっごい軽かったし、信者になりそう。ということでLABSのレビューでした。また増えたら書きます。