制作の依頼は前金を貰っておかないと己の命は無いと思え

07/02/2020

さて…今回はだいぶ喉が詰まるような、苦しく悲しいお話をします。なんでってそりゃもう、私自身が苦しいからです。

どれくらい苦しく悲しいかっていうと、ショタ主人公を愛でつつも腕前を認めていた先輩お姉様方が一人ずつやられていき、生き残るか?と思いきや一人も残らなかった時くらい。亡くなった嫁からの最後のプレゼントだったビーグルがマフィアの強襲により殺され、その怒りから封印していた過去の仕事道具を埋めたコンクリの下から掘り起こす時くらい。それくらい苦しく悲しいお話です。

いや盛りすぎたかも。私の怒りが溢れそうなので、適度に絵文字😄を織り交ぜつつ、過去の出来事、対策の前金についてお話しします。


制作の依頼は(できれば)前金がいいよという理由

先に。前金とは言いますが、全額先にっていうのは余程の信頼がない限り無理です。それは非現実的です。
今回書く前金とは、「案件をこなすにあたり先に支払ってもらう依頼料の一部」を指します。その点だけ先にご理解ください。ややこしくて申し訳ないです。

とは言っても、企業相手だとシステム的な都合から先払いが難しいんですが、ひとまず理由は次の通りです。

  1. 相手がバックれても最低限のお金は手元に入る😆
  2. 先にお金を貰うことにより自身のやる気が出る
  3. 制作中もご飯が食べれる

この先払いの理由はぶっちゃけて、1番目を防ぐことが目的です😅何があったのかというお話は後で書きますが、私がネット上でやり取りを全て完結させている都合から、納品した途端、連絡がつかなくなる😱ということがままありました😢

2番目の理由はお前仕事だろっていうツッコミがありそうですが、制作される方はまぁ…気持ちが分かるかと思います。確実にお金が入ると分かっていない不安を払拭し、また「お金を貰った」という責任感をしっかりと感じるため、しっかりこなすぞという気持ちが強くなります。

3番目。何か別の職がない限り、依頼料が生活の全てになります。そのため、少しでも先にお金をいただけると、制作期間中のコンポーザーは昼夜の食事をしっかりと取れます。

こういういざこざを一発で取り除けるのが、信頼できる中間業者の介入ですね。私であればクラウドワークス、DOVA-SYNDROMEなどです。もちろん業者も仕事ですのでマージンこそ抜きますが、より確実な取引ができます。個人よりどこか所属の方が安全っていうのは、やっぱり拭えませんね。

逆にデメリット部分。やっぱりクライアントが「疑われている」という気持ちが拭えない点です。なぜ先に一部払うのか、ということをしっかりと説明できると良さそうです。

支払いは最後にすると約束したな。あれは嘘だ。

さぁ始まりました、第1回業者・個人に騙されました暴露大会😩どんどん😡ぱふぱふ😡

とは言っても流石に完全な暴露とまでは行きません。一部、改変しながら紹介していきます。クライアントとのやり取りを書くなんてことは、私の信用が下がりますしね。本当はぶっちゃけたいけどね?

ケース1:トレイラーに曲出したら音信不通
今年5月の話です。LinkedIn、Stage32みたいな海外の人と繋がれるSNSを利用してガンガン人脈作ってました。今もですが。その際に、「うちのトレイラーに曲をつけてほしい!」というご依頼をいただけました。ちなみにちゃんと会社として立ち上げてた監督から。

いやもう、ほんと嬉しかった。しかも有名な映画祭のマーケットに出すっていうから余計に。もしかしてヨーロッパ某国のスクリーンで私の曲が流れるのかな?なんて思うとニヤニヤ止まりませんでした。しっかり金額も提示してきてる。そりゃニヤけるだろ。

こことここでシーンの切り替えがあるから〜という細かい指示もあったので、割とサクサク進んだ。納期が非常に短かったのでリテイクはきっついなーとは思ってたんですが、「もしスポンサーついたら劇伴もお願いしたい」なんていうもんだから頑張っちゃったよね。うっひょーーー!I am a film composer!なーんて。

でもね。映像にさっと合わせたmp4、簡単なマスタリングを済ませた確認用のmp3を納期2日前に出したのに、まるっきり返事が来ないんですよ。

ああたぶん映画祭の準備で忙しいんだな、なんて思って、そのマーケット終わったくらいにまたメールしたんですよ。トレイラーの分の依頼料をPaypalで払ってねって。

来ないんですよ。😴☎️🎥

振込も返事もなーんも来ないんですよ。☀️

もうね、何盛り上がってたんだろ〜ねって。✌️

ちょっと泣いたよね✨👀✨

ケース2:「都内で打ち合わせを行いたいのですが」
盗れいらー事件からちょっとしてなんですが、制作依頼を出すため都内で打ち合わせしたいという連絡が2件ありました。

もうね、企業名出されてもサイト出されても名前出されても、とにかく疑心暗鬼ですよ。だって1回騙されてますから。💓

ちょうど同時期に「電話、直接会っての打ち合わせは辞めた方がいい。メールなりチャットなりみたいに記録が残らないから。」的なツイートが回ってくるわけですよ。

なるほど物凄く一理ある(それでもバックレる業者はいる)から、今回の打ち合わせはメールで対応できないかと相談してみました。

まぁ、逃げられましたよね。🌀😷㊗️

なーにが六本木のなんちゃらで待ち合わせじゃ😋どうせ最後はファイルストレージにアップロードしての納品じゃろが☺️なんで初めからメールで解決できんのじゃ🌜意味わからんのじゃ😜

同時期に2件もコレですもん、今年は厄年かしらね🌝

ケース3:意識高いメンヘラちゃん、クリエイティビティ溢れたワークスにつけるBGMをアウトソーシングで発注しステークホルダー確保にいそしむの巻
書きたくて堪らない内容なんですが😘今思い起こしてもやはり意味がわからず😎書くと思い出して執筆あるいは文章の校正中に😪My Macbookの画面を突き破る勢いで正拳突き✊をかましてしまいそうになるので💣これは書かずに飲み会なりなんなりのネタ🚑として未来永劫🇯🇵語り継ごうと思います♨️

無駄に使った時間返せ。


結局のところ仕事の8割は信頼を築くこと

だいたい2年前、どうしても私に曲を書いてほしい!と熱心に語ってきた、ニューヨーク在住のアニメーターが居ました。雪だるまの写真を送ってきた彼は元気でしょうか。

長いスパンの制作になることもあって先に一部を〜と相談したところ、彼は先に依頼料の半分を快く支払ってくれました。だから私もデモを小出しにして意識すり合わせ、期日ギリギリまで制作を根つめて取り組めました。もちろん、残りの分は納品と共に振り込まれました。これが人生で初めてのショートフィルムの経験です。

私は彼の顔も声も全然知らないし、そもそもニューヨークなんて行ったことないし、といった具合です。でも彼は私を信用して依頼とお金を出してくれました。私も彼のメールの熱心さ、先にイメージ画像をくれたことから信用し、精一杯応えました。

前金は一つの方法であって、他に色々とやりようはあると思います。また2度目以降の依頼であれば、別段先に支払ってもらう必要もないかなーと思ってます。心配であればもちろん先に、ですが。

制作の仕事は信用です。やろうと思えば私は逃げられた。期日に間に合わなくても家まで怒鳴り込んでくるなんてこともないし。この辺り、我々制作側とクライアント側でちゃんと認識しないとっていうお話でした。