ボーカルレコーディングのせいで夜が眠れなくなったっていう話
DTMやってる方でボーカルを引き連れている方、いかほど居ましょうか。というかこのブログが私ilodollyのせいで、だいぶオーケストラクソ野郎向けになりつつあって、そういう人たちでボーカル録りやる人ってのもなかなか希少かと思いますが、いかほど居ましょうか。
一言で済ませます。
ボーカルは1時間以内に録り終えろ。でなければ死す。
非常に今、テンションが低いです。暗いです。きっと日本海溝といい勝負のできます。シーラカンスかアンコウか、そこら辺と会話できそうな気がします。今日も深いねー。ぱくぱく。
眠れなくて眠れなくて
理由1・部分録りのせい
これが一番大きいのですが、ざっくり6時間同じ曲を聴き続けたせいです。オフトォンに入っても、枕元からずーーーっと聞こえるんです。彼女らの声が。
そりゃもう、亡霊の類とかよりもずっとタチ悪いですよ。だって何人もの声が寝ても覚めても延々と聞こえるのだから。
きっと亡霊ならさ、妬み恨みを静かに淡々と、台本に沿って読み上げるんじゃ無いかなって思うんです。もしくはラップのごとく韻を踏みながらYo!チェケラ!って、ラップ音鳴らしながら。
それなら優しい私はルームライトをオレンジ一色にしメロウな雰囲気を演出し、「彼女に合うナンバーを」とリクエストしてやりますよ。なんならお酒でも作りますよ。ホットワインをベースに「恋人たちの甘い囁き」なんてくっさい名前のをさ。
ところが今回はそんな雰囲気は皆無で。
というのも、出だしのサビだけ〜とかAメロだけ〜とか、何回かに分けてレコーディングをしたんですよ。しかもそれを何人も何十回も6時間。
なもんで、私の枕元で流れるのはメロウなナンバーではなく、中途半端に区切られた部分部分なんです。Aメロだけ聞こえてきたりサビだけ聞こえてきたり。しかも音を外した時の記憶がやたら鮮明に。どうしてこう人間ってのは良い思い出に染まれないんだ。
今夜はなんかスカッとするナンバーを頼むぜ、DJ 亡霊- the Ghost-。
理由2・これから編集するせい
ピッチの修正が待っている。もう察したと思うが、つまりこれから私はリズムとピッチがピタリとあうまで再びあの歌声と対峙することになるのだ。録る時に加え何時間聴いてるんだろう…。
ちなみに録る段階で「あ、この人は歌苦手なんだなぁ」と分かったら、なるべくピッチの近い箇所をガンガン抜けるよう何度も歌ってもらって、その上で修正をかけます。半ば諦めながら。
で、これがまたしんどい話で。
私も歌が大変苦手なもんで、何度も歌うと段々声が出なくなるんですよね。なもんで、「もう少しがんばれ!もう少し上なんだ!」と思っても歌わせないほうが良いんじゃないかと思うのです。声が出なくなる前に、止める。
でもピッチ甘々だから正直修正つっても不自然になることが見えてるんで、なるべく元が良いものを録っておきたいこの葛藤。一時流行ったケロケロボイスさせると、趣向もかなり変わっちゃうしね。
週一で二郎ラーメンに挑みたいけど胃弱のため踏み出せないのと近い気がする。
今の例えは別に上手くなかったね。
理由3・テンション上げすぎたせい
正直、私は淡々としていたい。疲れるから。
普段もかなり口数少なく、教室の隅あるいは図書室で静かにしているタイプだ。疲れるから。
そう、人と接するのは疲れるんです。嫌いです。特に3人以上募ると辛い。わかる?
何を話したら良いのか、まず分からない。加えて、真面目な話をすると妙な空気になるからそれはまずいと思う。じゃあ何?笑わせる方向?俺、お笑い系まじでわかんねーし、そもそも今の流行って何?俺は今ラジオアプリでケルト音楽聴くのにハマってるけど、どう?
どう?じゃねーよ、と。
ボーカルレコーディングで重要なことの一つ、ディレクションってのが疲れるんです。
「ここの歌詞はこうだから、もっとこういう風に歌ってみようかー。そうそういいねーちょっと意識しすぎてピッチ甘かったからもっかい行こうかー。よーし良い感じだねーじゃあ次行こうかー。あ、水とか飲む?喉枯れるっしょー良いよー飲んで飲んでーはーい飲ーんで飲んで飲んで(略」
こんな感じ。これを6時間。何の仕事してるんだか分からなくなる。ほんとね、喋るのを生業にしている方々、マジリスペクト。神に感謝。R.I.P。
ただ単に歌ってもらうとなーんか歌詞とのギャップを感じたりするんですよ。これはもちろん、音程リズムが取れるレベルになった人の話。そこでなるべく歌詞の意味を掬って表現させるために、聞きながらあれやこれやと指示をする。
でも単なる指示を送ってくとボーカルも人間、なんだか自分を否定された気持ちになってくるだろうということを鑑み、良いとこを褒めつつ上手く指示を出す。となると、こっちがテンション上げないといけない。段々しんどくなってくる。
ディレクションをするたび、ボーカルの首を絞めているように思えて実は録ってる側自らの首を締め上げている。ミイラ録りがミイラになる。ぷーくすくす。
そして6時間の死闘を繰り広げた後の私は、本当にミイラさながら生きた骸になっている。テンション上げてった結果、残るのは妙な疲れと耳に奴らの歌。
理由1に戻り、精神的には疲れているのに眠れもしない。1時に寝たのに夜中3時と5時に目が覚める。結局、安眠し起きたのは10時過ぎで頭が痛い。
ボーカルのレコーディングは1曲1時間
これは別に録る側がしんどいからってだけでなく、何度か歌い直していると淡々としてきてしまうということもあるため、なるべくなら歌い直さないほうが良いためです。
3回以内にバシッと決められるようボーカルは鍛えたほうがよく、録る側もベストテイクを聞き逃さないよう耳を澄ませなくてはいけない。そうでないと、おそらくお互い、延々と歌がリピートする乗り切れない半端なナンバーに夜な夜な襲われることになる。
ということで、ボーカルのレコーディングのせいで眠れなくなったっていう話でした。
予定を見たらまだ何度か6時間録りあるらしい。R.I.P。