Waves “Mercury”が人類にとって不必要な物である理由5個

14/06/2019

DTMをやっている人で、「100万円を超えるエフェクターバンドルがある」ということを、存じでない人間はおそらくそんなに多くは無いと思う。
そう、WavesMercuryだ。

Wavesのプラグインを実に150個ぶち込んだこのMercury…だいたい100万円もする。100万円だぞ?炎のチャレンジャーの賞金と同じだぞ?電撃イライラ棒クリアした賞金で買う額だぞ?…っていう例えしたら、なんかあんまありがたみ感じなくなってきた。とにかく、約100万円です。

国内正規版ならだいぶ抑えられて30万強。30万円でWavesのプラグイン揃うんだなぁ。分割で考えて月2万円として15ヶ月ってことは1年ちょっとでなんとかあるいは来年の元旦セールもしくはブラックフライデーとか狙って…

とか考えてはいけない。輝く水星をバックに会社のロゴをデカデカと乗っけた、広辞苑と並べても遜色無いあのバカデカい箱の中にあるたった一枚のペラいCDのために100万円なぞ払ってはいけない。こんなもの人類には必要無いんだ。いらないんだってば。

ちなみに私の勤めるスタジオには導入されており、つまり私は持っていない。普段の作曲にも、このブログ記事を書くのにも使っている、このMacbook Proには入っていない。何故ならそれは、このプラグインバンドルソフトは必要の無いものだと感じているからだ。
その理由を大いに語る。


Mercuryが要らない理由

エフェクタに時間を食われる

なによりまず、エフェクタ多すぎる。

変に音を加工しすぎない素直なエフェクタ「Renaissance」シリーズ、ヴィンテージっぽい音を出せ挿すだけで音が前に出てくれる「Vitage」シリーズ、X-noiseを始め非常に優秀で使い勝手のいい「X」シリーズ、筆者も喉から手どころか全身でてきてしまうほど欲しいapi社のアウトボードEQコンプをシミュレートした「api」シリーズ、他にもdbxのコンプとかMaseratiとか終いにはWavesオリジナルのシンセサイザまで全部詰め込んでいる。ほんとに全部。書ききれないので公式サイトみてください。

もうね、バカ。バカですよ。

そんなにプラグイン詰め込んでみてくださいよ。

「いつもボーカルにはR-Compだけど、そういえばこのdbxのコンプってどうなんだろ?…ふーんこういう感じかぁ。じゃあapi2500ってどうなんだ?あ、へぇーアナログモードの切り替えできるんだーいいねー。CLAも試してみようかなー…あ、でもこのEddie Klamerシリーズにボーカルって書いてあるなーいやいやこっちもGreg Wellsにも…どれがいいんだろうなぁ?」

こうなるでしょ?

選び放題すぎるんですよ。
作業が楽しくなりすぎるでしょうよ。ねぇ?

こっちはもっとこう、「とりあえず全トラックにV-Comp挿してるけど全部の楽器が元気良く前に出すぎちゃって結局意味が無くなって他のコンプも無いからDAWに初めから入ってるコンプ使ったら妙に引っ込みすぎちゃってEQでハイ上げたら今度はそのEQがデジタル臭すぎて変なシャリシャリ感と気持ち悪い浮き方しちゃっててんやわんや」という苦しみを味わいたいんですよ。

エフェクタに踊らされて苦しむのがDTMerっていうものなのに、どんな状況も作れるよ状態にでもなったらダメなんですよ。
そうでしょう?

各エフェクタが優秀すぎる

加えてこれですよ。

今までは一つのEQをすべてのトラックに挿してプリセット読み込んだりあれこれして、なんとか対応させていたでしょう。

ところがMercuryではどうですか。

たとえばCLAシリーズ。ボーカル専用のEQからコンプ、リバーブとかまで付いちゃってる。ボーカルだけじゃなくギター、ベース、ドラム専用もある。これ挿せばいいじゃん、もう。

もうそんなエフェクタばっかり。

MaseratiVX1とかさ、こいつもコンプEQに加えてディレイまで装備しちゃってんの。

腎臓を片方競売にかけて金作って買おうかと思うくらい筆者がとにかく欲しいapiシリーズ(欲しいのは実物)なんて、550A・B、560各EQにプリセットがバッチリ入ってるの。オーケストラの各楽器のプリセットまで入ってやがったぞ。

Mercury買うとそれらが選び放題になる。

舐めてんの?と。

「Q6、Q8は持ってるからと使ってみたもののデジタルシンセにはいいけど生楽器系は妙に冷たくなる感じがするから使いたくないんだけどDAWのデフォルトよりかは幾分マシかなー。V-EQのアナログモードってハムノイズっぽいの混じるし、静かな曲だとあれだよねー」なんていう愚痴を、ツイッターで募った音楽系のオフとかで話し合えなくなるの。

この不満なくなったら何を話せばいいんですか?

「潤沢なエフェクタリストから楽器と曲の雰囲気となんとなくの気分で選んでます。」なんて言ってみろよ。二度とオフ会に呼ばれないどころか、即売会も出禁になるレベルだぞ。

周りとの音質に差が出てしまう

これは危険。危険すぎる。

導入したての頃は、おそらくエフェクタの多さに悩まされると思う。どれを使ったらいいのか。

ところが、ずらっと並んだWavesの優秀なプラグインを楽器や曲調などによって使い分けることが出来始めた頃、格段に周りとの差が出始める。

すると、どうだろうか。

同人界隈でオーケストラ系を作るi氏がいるとする。

当然、他にもオーケストラを作る人間はいる。

そのi氏がMercuryを購入、各々のエフェクタを使いこなす。低音がしっかり出つつも抜けるティンパニ。ティンパニを邪魔せず確実に曲を支えるコンバス、チューバ。耳に付き過ぎず且つ鋭さを忘れないバイオリン1、2。ロマンチックな愛のアリアを歌い上げるかのような優しいオーボエ、フルート。

今までi氏はDAWのデフォのエフェクタで悪戦苦闘しており、友人も界隈も似たような連中ばかり(ごめん内情は知りません)だったのに関わらず、Mercuryのエフェクタ達がi氏の楽曲を次の次のレベルへと確実にレベルアップさせてしまった。コンピに参加したi氏の曲は他の誰よりも芯の太さを感じる素晴らしいオーケストラサウンドへと昇華していた。

どうだろう。こんなことが起きたらおそらく周りの仲間と思っていた連中は音質の差に嫉妬し、i氏へのコンピ・オフ会参加すんな圧力がクレッシェンドしていき、次第に即売会の空気はディミニッシュコードの様な不協和感が強まり、最悪リンチという名のトゥッティに襲われることだろう。

女性の嫉妬は陰湿と言われる。
だが男性の嫉妬は露骨だ。
十二分にあり得るだろう。

ミキシングの仕事が降ってくる

これも考えたくも無い事実だ。

100万円近くもするバンドルだ、一般人がそう簡単に手を出せる代物ではない。となると、持っている人間が「Mercuryのエフェクタでミックスするよ」とでも言ってみろ。

「1曲2〜3000円くらいでどう?」

即、殺到だ。

もちろんこれは、Mercuryがあったとしても相手の環境にもよるだろう。モニタースピーカは何を使っているのか。ヘッドフォンは。DAWは。出力部分で聞こえる音ってのはだいぶ変わってしまう。

ただMercuryに手を出すほどの人間だ。いや敢えて人種と言わせてもらおう。Mercuryを持つ人種だ。なんだったら奴ら水星人だ。なんだってあんな高いものを買うんだ。そんな特殊な地球外生命体は100万円ぽんと払うんだから、多少なりとも環境も耳も良いのだろう。さすが水星人。

であれば、任せてしまってもいいかもしれない。自分で100万円払ってMercuryを買ってミックスに挑むのか、それとも曲を作ってパラアウトして水星の民に3000円でぶん投げるのか、どっちが得か計算してみただろうか?後者の方法であれば、333曲でMercury代になるということがわかる。

こういうことにいち早く気付いたDTMer達は、Mercuryを買ったとツイートし1曲3000円でミックスするよなんて軽率に発言しまった水星人は引っ捕えられ、地球に強制入星させられ、延々と300曲以上もミックスする羽目になるのだ。というか、ほぼ一生ミックス作業をやらなくてはいけないだろう。なんて損な人生だ。

聞きたくもない他の星の赤の他人の曲を混ぜ続けるのだ。

そしてもし、「同人ならお金取らないよw」なんて愚かな発言してみろ。しょぼいエフェクタ、フリーのエフェクタしか持っていない連中がわんさか群がる。

二度と水星に帰れないぞ。

命を狙われる危険がある

さきほども述べた通り、Mercuryを買ったやつは軒並み水星人だ。地球人から晴れて水星人へと成り替わるのだ。そんな、灼熱の惑星・水星の民だなんてことを世に知られてたらどうなるか?

これは筆者にも容易には想像がつかない。

この記事を読んでいるということは、日本人だろう。日本語が理解出来るポーランド人かも知れないが、そんな例外は知らん。

そして日本国内にいると仮定すると、JAXAがつくば研究学園都市からすっ飛んでくる。貴重なサンプルだもの。あなたを半ば監禁状態にし、様々な実験をされることだろう。

だが宇宙研究といえばNASA、あそこも黙ってはいない。おそらくJAXAから金にものを言わせてブン取りに来ると思われる。全く理解できない専門用語まじりの英語に圧倒され、理解できない様子を面白がってHahahaと笑い、こちらの精神はすり減り、やがて鬱になるだろう。だが相手からすれば「水星人も鬱になるんだな!Hahaha!」としか思われないのだ。

JAXA、NASAが内密に水星人を研究するならまだ良いのかも知れない。もしかしたら今の生活よりずっとマシな食事、衣類、住居を提供されるかも知れない。丁重に扱ってくれるかも知れない。

ところが丁重には扱ってくれない機関が世の中には存在する。

そうメディアだ。

この世の不思議を掲載する「ムー」は、今まで地球人だったあなたが水星人となり、そのことをムーはいち早く掲載したがるだろう。ピラミッドパワーで活動を行うとか、エクトプラズマの正体だとか、水星人に対する憶測をつらつらと書き連ね始める。そして「彼ら水星人のミックスした音源には地球の内情が彼らにしかわからない様こっそりと書き込まれ、他の水星人へ発信し地球侵略計画を練っているのだ」とか、そんなことを適当に。ごめん、ムーわかんない。

もっと怖いのは某センテンススプリング含む週刊誌だ。これの恐ろしさはわかっている。

あなたが水星人だということを面白がり、ありとあらゆる情報を集めたいがためにこっそりと付け周る。「水星人もAVを借りる!」とか「水星人の昼はマクドナルドでデレステをプレイ」とか、そんなキャッチコピーが電車の中吊りにぶら下げられる。

しまいにはあなたが使った満喫のPCの履歴を漁りまくったり、コミケにまでついてきて買ったものをチェックするだろう。「スクープ!水星人は”触手”と”つるぺたようじょ”が好き」。こんなの死んでも死に切れない。

そしてあるいは、表側の人間では知りえない闇の組織があなたをスカウトしにくるかもしれない。その先、あなたの身に起こることは私にはわからない。気をつけたほうが良い。


Waves Mercuryは人類に必要ない

以上、Waves Mercuryが人類にとって不必要である理由だ。数多あるエフェクタはあなたのエフェクタに関する悩みや苦悶を取り除き、その彼らは一つ一つが優秀であるがゆえ音作りの苦労を軽減させ、確実に出音が磨かれるがゆえ仲間内から疎外され、滞りなくミキシングの仕事をする羽目になり、そして最終的には水星人となったがゆえ命を狙われることとなるのだ。

いかにMercuryというものが不必要なプラグインバンドルソフトかというのが分かっていただけただろうか。

私はスタジオで触る機会、時間が存分にあるせいでMercury無しでのミキシング、あるいはマスタリングというものが考えられなくなっている。APIシリーズがとにかく良い。コンボリバーブもあるとか神かよ。Mercury導入していないDTM環境とかもう絶対ダメ、ありえない。

余談。こんなしょうもない記事に3時間費やした上、5000文字突破してしまった。本記事のアイキャッチは「火星」です。


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Posted by ilodolly