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脱Kontaktをしたいなっていう話と脱した先の音源の話

最近、楽譜制作ソフトのFinaleが本当にフィナーレしてしまったことと、私の好きなKontakt音源のデベロッパー”ilya efimov”が無くなってしまった、という大きめの事件があった。
後者はまあ小さい企業だけど、前者はユーザー数もそれなりに居たはずの大手。でも経営だったり「新しさの提供」だったりで行き詰まってしまったらしいです。
それをきっかけに、手元の音源を少し見直したいなーなんて思ったので、それの話を自分の頭の中の整理がてら書いておこうと思います。


脱Kontaktをしたい理由

  1. 今後、古い音源が使えなくなる可能性が無きにしも非ず
  2. アプデがだるい

ざっくりまとめると以上のふたつです。それぞれ書いていきます。

音源が使えなくなる可能性について考えたのは、先ほどの企業が無くなった、というのがきっかけでした。
私がよく使う音源はほぼ定番、大手のものが多いのですが、中には「ここは経営大丈夫か…?」というのがいくつかあります。
そのひとつがilya efimovです。
企業が無くなってしまったので新しい音源を買えなくなったわけですが、今後ありうる懸念が「Kontaktのバージョンが上がった時に、音源が使用できなくなる可能性」です。

UIだったり内部のプログラムだったり、何かしらの要因で既存の音源が使えなくなる、ということはおそらくあります。ソフトウェアなのでどうしてもね。
そういう時に、すでに無くなってしまった企業製品はアップデートが当然無いので、泣く泣く手放す他なくなります。
Kontaktが古い音源を使えなくするような、そこまで大胆な変更をするのは無いような気もするんですが、懸念としてはあるんじゃないかなと考えています。

もうひとつ、アプデがだるい。
これはNIという企業が存続する上で仕方のないことなんですが、Kontaktそのもののバージョンアップは定期的に必要です。
以前、2つ前のバージョンを使っていたら「アップデートしないと音源は開けません」と警告を受けてしまいました。
あくまで有料版で動作する音源が、なんですが、割とそういう音源をそこそこの数使っているのでだいぶ困り、結局更新料を払いました。

更新料は毎年かかるものでもないし、払っても14,000円くらいなのでそんなに気にしないんですが、塵も積もれば山となるってやつですね。

あとは、Kontaktそのものが全く問題なくても音源によっては動作不良を起こして音が鳴らない、鳴りっぱなし、みたいな変なバグがあるのもだいぶ長年困ってます。
こういうバグも更新で直してくれりゃ良いんだけど、それはあくまで音源デベロッパー側がやることなので、やっぱり企業パワーがないところはバグも放置ですからね…。

といったことで、脱Kontaktしたいなーというのは近年考えていることです。

Kontaktをやめてどれに移るのか

私がKontaktで打ち込んでいる楽器は主にピアノ、オーケストラ、クワイア、民族楽器、エピック系の効果音です。
ぶっちゃけ7割Kontaktです。

これらの移行先って結構限定されると思うんですが、私的にしっくりきそうだなーと思っているのが以下。

  1. Orchestral Tools
  2. Spitfire Audio
  3. VILabs
  4. 自分でどうにかする

それぞれ書きます。

Orchestral Tools ”SINE Player”

脱Kontaktの先としてまず考えたのが、OTです。
自社サンプラー”SINE Player”を出しています。
OTのSINEは既にSymphonic Strings、Phoenix Orchestra(中華楽器)、その他パーカッションで使っています。
サンプラーとしての使いやすさも全く悪くないし、OTのサウンドの方向性的にも私にハマっているかなーと思っているので、候補になっています。
民族楽器系も増えてきているし…なんですが、そうなると今度はSINE依存になりそうな。

OTは後述のSpitfire Audioと違って自社音源のほとんどがSINEで動くので、Kontakt→SINEという置き換えがやりやすいかなーと考えています。
https://www.orchestraltools.com/

Spitfire Audio

オーケストラ音源といえば、なんでしょうか。Spitfire Audioももちろん移行先の候補です。
こちらも自社サンプラーを出しているので、脱Kontaktがしやすいはずです。
ここの良い点として、自社サンプラーの操作感とKontakt上のSpitfire Audioの音源の操作感が非常に近いことです。
私の打ち込みテンプレにもSpit~の音源はあるので、操作感も含めて丸っと移行しやすいのは非常に魅力的です。

ただ、出している音源の全てを自社サンプラーに移したOTとは違い、一部の音源が自社サンプラーで古い音源はKontaktでというのがSpitfireの現状です。
特に有名オーケストラ音源のほとんどがKontaktなのがちょっと私としては困った点ですね。
https://www.spitfireaudio.com/

VILabs

これはUVI Engineを利用したピアノ音源です。
UVIの方はKontaktのような有料版とかはなく、完全無料で提供しているので、更新料がどうこうっていう心配はなくて良いなーというので候補にしています。
またVILabsのピアノ音源は結構評価がよく、めっちゃ信頼している友人にもいいよーと言われたので第一候補です。
ピアノ音源もKontaktで賄っているので、入れ替えたいなーと思ってます。
https://www.vilabsaudio.com/

自分でどうにかする

どうにかって…って思うかもしれませんが、これはシンセ系の音、ギター・ベースの音に関してを指しています。エピック系の効果音もね。
私はメインのシンセサイザーにKilohertsのPhase Plantを使っていますが、アレをちゃんと使えばエピック系の効果音も作れます。サンプラーにもなるから生音ミックス系の効果音も作れます。しかも買い切り。まじで有能。
なので、Kontaktで動作するエピック系効果音を、Phaseで自作するというのはアリかなと。
特に私自身、最近はあんまり凝った効果音を使ってないし…。

それからギター・ベースの音に関しては自分で実際に演奏したら?と自分に言ってます。
前々からギターの打ち込み音ってどうも気に入らないので、どうにか自分で弾くようにはしているんですが、ベースは音源に頼りきりだったので自分で弾くことを考えています。
そのためにはベースを買うところからなんだけども…。


まとめ

ということで脱Kontaktしたいんだーという話でした。
Kontakt依存の状況に少し懸念を覚えていること、移行先としてOTやSpitfire Audioを考えていること、自分で作る・演奏する方向を進めていくこと、を考えています。
ただ完全にKontaktをやめることは正直無理だろうなとも思っている(特にクワイア、民族楽器ね)ので、ちょうど良い感じで音源を買い替えられたらなーと思います。
しかしまぁ、金がかかるのなんの。