AudioJungle(オーディオジャングル)の審査に通る曲の作り方・8つのポイント

AudioJungle(オーディオジャングル)の審査に通る曲の作り方・8つのポイント

今回はちょっと実践的な話で、“AudioJungle(オーディオジャングル)”の審査に通る曲の作り方を紹介します。
https://audiojungle.net/

AudioJungleは「ストックミュージック」あるいは「BGM」を販売するサイトで、日本のAudioStockと良く似てます。意識してるのかなぁ?

審査が割と厳しく、何度も落ちたりフィードバックもらったりして、ようやく通り始めました…。今回の話はそのまとめ的な内容になります。

私の審査に通った曲はこちら
https://audiojungle.net/user/shigenobuorito/portfolio


注意点と作り方8つのポイント

はじめに注意点ですが、これから紹介する作り方のポイントは「私の経験+公式のガイドライン」になります。

ガイドラインはこちら
https://help.author.envato.com/hc/en-us/articles/360000471186

これから紹介する方法で作れば必ず通る!という訳でもないので、過度な期待はせず、参考程度に留めてください。

どうしても細かな部分は作ってみないと掴めないニュアンスとかあるんで…これを読みつつ、作って自分の中で消化して、がいいと思います。

で、今回紹介するポイントは以下の8つです。

  1. 音源は質の良いものを使う
  2. 曲はとにかくシンプルにする
  3. イントロからしっかり曲を始める
  4. アウトロはきっちり終える
  5. 単調なループにならないようにする
  6. 機械的な演奏にならないようにする
  7. ミキシング・マスタリングはアメリカの音を意識する
  8. 落ちたら恥を忍んでフィードバックをもらう

順にお話しします。

音源は質の良いものを使う

いきなりハードルの高い話をしますが、音源(プラグイン)は質の高いものを使ってください。

やはり企業が買ってプロモーションなどに使用する音楽なので、安すぎる音ってのは宣伝の質にも関わってきますよね。

無料音源をレイヤーする分には大丈夫なんですが、それをメインにすると、ほぼ確実に落ちます。

私はパーカッションだけ無料のものを使ってた時はそりゃもう散々で、フォーラムでフィードバックをもらったら「パーカッションがやたらしょぼい音」と指摘されました…。

若干の変更はありますが、私の制作のプリセットは下記URLで確認できます。これで審査通ったので参考までに。

https://merrybad.com/template-2020/

所感ですが、他の投稿を聞いてるかぎりはEastWestのHollywood OrchestraのDiamondだけでひとまず良いのかなー?という気もします。

おすすめ音源は別記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ストリングス音源おすすめ18選【オーケストラ向け安いものからリアルなものまで】

曲はとにかくシンプルにする

曲の内容はシンプルである方が良いです。やたらアーティスティックなものより、まぁフツーかなくらいの方が良い。

メロディはコードトーンをなぞる程度、コード進行も4コード程度、転調はなし。展開もAメロのみ!みたいな。

リズムも同様で、大きな変更とか、シンコペーションですらあまりやらない方が良いです。4つ打ちが一番ウケてる?ような気がします。


オーケストレーションもシンプルに。金管はメロだけ、ストリングスはバッキングだけーとかですね。

私はよくシンセを重ねますが、それもやっぱりルートを鳴らすだけ、アルペジオを遠くで鳴らしてーっていう感じです。

こちらもやはりプロモーションなどに使用する曲なので、あまりごちゃごちゃ鳴らしたり、コロコロ展開すると動画に合わせづらくなるし、ナレーションの邪魔になるし…など色んな弊害が起こります。

イントロからしっかり曲を始める

要は、頭から曲を始めて、サビまで一貫した雰囲気になるようにしましょう!ということ。

これはなかなかイメージ付きにくいと思うんですが…

たとえば、静かなイントロ→展開して激しいサビみたいなものは、結構審査落ちますね。てか落ちた。

イントロに対して、楽器数を重ねて軽く盛り上げたサビ、くらいがちょうど良いっぽいです。

どんな感じ?ってのは、売れ筋などをチェックすると分かるかと思います。

アウトロはきっちり終える

フェードアウトをしない、終わったよ!感を出す。という2点ですね。

どうしても終わった感がないと、BGMとしては扱いづらいですので…。

単調なループにならないようにする

やや矛盾した印象を受けるかもしれませんが、曲全体としてはループっぽく作るけど、完全なループは辞めましょうという話。

メロディやコード進行こそ同じものを1曲通して使っていきますが、オクターブを重ねたり、一部のリフを変えたりしながら、展開を作ってください。

ガチでコピぺしたようなループ、あるいはほんのちょっと変えた程度だと、やっぱり落ちます。

全体を通して一貫性を持たせるためにループしてるけど、展開してるから完全なループではない…これも実際に売れてる曲を聞いていただけると意味が分かるかと…。

機械的な演奏にならないようにする

クオンタイズをガッツリかけたような、小節・拍に対してかっちりきっちりな打ち込みはやめましょう。

これは日本だと馴染みがない…?そうでもない??話ですが、機械的な音にならないように拍に対して若干ずらす、人間的なタイム感が求められます。

聴き比べて始めて分かるレベルだろーとか思ってたんですが、意外とそうでもなく、意識してズラした方が全体的に滑らかに感じます。

もちろん生演奏であっても同じで、きっちりなものより、人間的なズレを求められます。マジでバレます。

具体的なズラし方については、下に貼ったURLの記事を読んでもらうといいかなーと。

https://merrybad.com/midi-realtime/

ミキシング・マスタリングはアメリカの音を意識する

要はリバーブ感なんですが、ベッタベタにクロースな音でなく、多少ウェットな方がそれっぽいです。

また30Hz付近、以下もしっかり出すなど、可聴音域全体をガッツリ鳴らしてますね。これは編曲的な部分もあるかも。

こういった出音に関しては、売られているものをちゃんと聴き込む、アナライザーで見ておくと良いです。

私が感じたのは、リフが割と前でメロは後ろ気味という点、薄らドンシャリ気味という点です。声を入れる余地を作ってるんだろうなぁと。

ちなみに音圧は間違ってもパツパツにせず、ダイナミクスを残す程度にします。私は-14LUFSで合わせてますが、これはもう絶対。海苔は声を入れる余地ないからマジでだめ。

落ちたら恥を忍んでフィードバックをもらう

最後は、審査に落ちたらフィードバックをもらって改善しようという話です。私はこれが一番苦しかった…。

AudioJungleの一番の良い点だと思ってるのですが、公式が意見交換用のフォーラムを用意してます。
https://forums.envato.com/tags/c/authoring-on-envato/audiojungle/item-feedback

アップロードした曲を宣伝したり、曲のフィードバックをもらったりできる掲示板ですね。

ここでスレッドを立てて、この曲はなんで落ちたのーと聴きましょう。かなり的確な指摘があるので、めっちゃ勉強になります。

投稿は似た内容のスレッドは乱立してるので、真似すれば大丈夫です。

制作で参考になる動画

1つ目は北欧っぽい人のこちらの動画。

上記で紹介した内容と似たようなことを喋ってますが、私はぶっちゃけこの人をめっちゃ参考にしてます。

他にも制作の話で(しかもオーケストラ系の)動画をたくさん出しているので、暇さえあれば漁っても良いくらい良質なチャンネルです。

2つ目は実際にストック系を作る様子を撮ったこの動画。

やはり過程がわかった方が理解しやすい箇所もあるので、ちょっと長いのですが、制作に詰まったらぜひ見て欲しい動画です。かなり参考になります。

ただ、後半のミキシングは急に音量がデカくなるのでガチで注意。

さりげなく混ぜてましたが、今回の内容を動画にしました。

実際に審査に通った曲を使いながら解説しています。

ぜひ参考にしてください!


肝心なのは作り続けること

以上、8つのポイントとオススメの動画でした。

実際はもっと細かくあるとは思うんですが、制作する上での重要な点のみにしぼりました。

他の話だとたとえば、あからさまに音楽的でない不必要なハムノイズやピークなどが出ないようにしておく、とか。

1発で通ることはないと思うんで、心を折らず平坦にテキパキ作って出す。ストックはこれに限ります。…と思う。今も時々折れるので、そこのコントロールも重要ですかね…。

ではでは、皆様の健闘を祈ります!