【2024年版】オーケストラとシンセを使った楽曲のミキシングのやり方
- 2024.09.03
- BLOG 打ち込みテクニック・Tips
ある程度、自分の中でのやり方や目的などが固まってきたのでブログ記事にしておきます。
タイトルでは「オーケストラとシンセを使った楽曲の」とありますが、エフェクタ処理について細かく理由を書いていくので、全く別のジャンルでも応用は効くと思います。
理由を書いたせいで本題のミキシングのやり方までが長〜い記事となってしまいましたが、分かりやすく書いたつもりです。というか読まないですっ飛ばすと意味がわからないかも…。
あくまで私がやっているミキシングですが、参考になれば幸いです。
注意点
先に、今回紹介するミキシングについての注意点です。
- 私のやり方であって、これが正解というわけではない
- 現在も試行錯誤を繰り返しているので、近いうちにまた細かなアップデートがあるかもしれない
- 紹介はするものの、一部理由がわかっていない部分がある(リバーブ)
特に3つ目、リバーブの部分で不明瞭な部分があります。
色んな方のやり方を参考にした結果なので定番な手法?かと思うのですが、どうしても細かい部分で疑問が残っています。これについては後ほど。
上記の注意点を飲み込んだ上で、読み進めてくださると幸いです。
ミキシングのゴール
まず、どんなミキシングが行えればゴールか?といったことを設定します。
今まではとりあえず良い感じに2mixにまで持っていけばいいやーとフワフワしてたので、改めて、どういった状態になればゴールかというのを考えました。
- 立体感のある2mixを作る
- すべての音がいい感じに馴染んだ状態にする
大雑把に、上記2つが満たせればゴールかなと。
立体感はオーケストラは特にですが、ジャンル問わず重要かと思います。なぜなら、一律同列に音が並んでしまうとどこを聴かせたいかが分かりにくくなってしまうからです。
オーケストラの場合はどの楽器がメイン、みたいなことはないです。
ただオーケストラは、指揮者から見て手前からストリングス、ブラスとウッドウィンズ、パーカッションと並ぶので、その配置を感じられる2mix作りが出来たらベストですよね。
といったことから、立体感は必要です。
また、今回の話の場合はオーケストラに加えて「シンセサイザー」を使います。
理由は後ほど細かく書きますが、打ち込みの場合はどうしてもオーケストラと馴染まずシンセが浮きがちになってしまうので、その浮きを解消できたらと考えました。
このゴールについては人それぞれあるかと思いますが、この記事で、私が考えるゴールは上記2点とさせていただきます。
ミキシングを始める前のルール
立体感、全部馴染んだ状態にする上で、使った打ち込み音源はサンプリングか、そうでないか。ここの見極めは大事です。
エフェクト処理が変わってくるので、一旦自分の使った音源について整理してみましょう。
サンプリング音源
サンプリング音源は大きく分けて、2種類になります。
1つ目は、
- マイクの設定をいじれる(オンマイク、オフマイクのボリュームをいじれるとかそういうやつ)
- 1音1音を収録している
というサンプリング音源です。たとえばCinematic Studioシリーズ、Spitfire Audio、Orchestral Toolsです。
こういった音源を、この記事では一旦「フルサンプリング」と呼びます。正式な呼び方じゃないです、多分。
フルサンプリングの場合は、打ち込みの時点でマイクの設定を曲調に合わせて行ない、ミキシング前に音作りをキチンと済ませておいてください。
これはまだ研究中ですが、フルサンプリング以外の音源も使う場合は部屋全体の反響を拾ったマイクはOFFの方が都合がいい気がします。
CloseとTreeだけ使って、Ambientは使わない。みたいな感じです。
2つ目のサンプリング音源は、
- 数音を収録して機械的に音階を作っている
- マイクの設定をいじれない(リバーブはついてる)
というサンプリング音源です。
私自身がほとんど使わないのでどこのメーカーの何とは言えないのですが、生楽器系の音源で格安なものにあるかと思います。詳しくはマニュアルを見てみて下さい。
この記事ではこういった音源を仮に「セミサンプリング」と呼びます。
セミサンプリングの場合はマイキングなどで音作りが出来ないし、ちょっとシンセに近いサウンドなのでフルとは違う処理が必要です。※必要だと考えてます。
サンプリングじゃない音源(シンセサイザー、物理モデリングなど)
シンセサイザーや物理モデリング系(アンプシミュレーターも含む)の場合は、フルサンプリング音源とは違った処理が必要です。
ミキシングの際に混同しないよう、トラック名などで明瞭化しておくと良いかなと思います。
ミキシングに使用するエフェクタ
次に、ミキシングに使用するエフェクタを紹介します。
使うエフェクタは以下の通りです。
- テープシミュレーター(汚し系ではないサチュレーション目的のもの)
- プリアンプ(あればなお良し)
- チャンネルストリップ(実物のシミュレーター系)
- リニアEQ
- ERとTailを分けられるReverb(できればコンボリューション、アルゴリズミックのどちらも)
- お好みのReverb
上記のエフェクタを使用する理由として、実際にコンソールに通した音をシミュレートする、という目的があります。
先ほど分けた使用音源を見ていくと、
- フルサンプリング音源は実物のマイク、プリアンプ、コンソールを通した音が収録されている
- またフルサンプリングは、実際の部屋の反響なども含まれている
- シンセやモデリングはパソコン上で音を作って直接鳴らしているので、アナログ機器を通しておらず反響音もない
といった違いがあります。セミサンプリング音源はどっちとも言えないのですが、マイク設定をいじれないので反響音はないものとします。
こういった「アナログ機器を通しているか」「部屋の反響音があるか」といった違いを埋めるために、上記のエフェクタを活用します。
ちなみにアナログ機器を通した場合、ほぼ聞き取れませんが、小さなノイズが音源に乗ることがほとんどです。
PC上で音を作るシンセにはアナログ機器特有のノイズが含まれないので、エフェクタで擬似的にレコーディング現場を作ってしまおう、というのが簡単な解釈です。
音源の種類別のエフェクタの使い方
フルサンプリングかそうでないかで、各エフェクタの使い方が若干異なります。
その辺りを解説します。
テープシミュとプリアンプ
レコーディングの場合、マイクの後にテープやプリアンプを通すことが多いです。
テープを介さない場合もあるとは思いますが、マイクはプリアンプを介するはずです。通さない現場がある?じゃあエフェクタ要らないです…。
今回のミキシングの場合は使います。使い方は以下の通り。
- フルサンプリングでは「倍音の抜け感」を付与するために使う
- セミ、シンセ等では「マイクを通った後ですよ感」を付与するために使う
テープシミュやプリアンプのエフェクタは、多くの場合は「サチュレーション効果」を付与するために使います。音を少し歪ませる、ということですね。
こういったエフェクタで歪ませると倍音が際立つので、より前に出る、聞きやすいサウンドになります。
フルサンプリングの場合はシンセ等と比べるとどうしても抜けにくくなるので、サチュレーション効果を与えるために使います。
シンセ等には先ほども書いたように、マイクの後にプリアンプ等を通ったような若干の歪みをつけるために使います。
またテープシミュの中には、収録するテープの種類やIPS(テープの回転スピード)を調整でき、高音域の調整が可能なものもあります。
フルサンプリングでは(やり過ぎ注意ですが)なるべく高音域がハッキリする調整をし、シンセ等では逆に削ります。
おすすめは、UADのStuder A800です。やりたいことが全部できます。
チャンネルストリップ
チャンネルストリップは単にエフェクタがまとまったものではなく、実際のコンソールをシミュレートしたものを使います。
たとえばPlugin AllianceのFocusriteなどです。
実際のコンソールをシミュレートした系のチャンネルストリップは、微細なノイズが音源に乗るようになります。
このノイズが乗ることで、実際にレコーディングしましたよ感が出てきます。
フルサンプリングの場合は既に微細なノイズが含まれているので、チャンネルストリップ側のノイズはカットしておくと良いかなと思います。
また、のちの処理の都合上、出来ればコンプレッサーがついていると良いです。
なければ別でコンプを挿すだけですが、チャンネルストリップに入っていれば余計なエフェクタを挿さずに済み、管理が楽になります。
リバーブ
リバーブだけ種類多めに持っておきたいです。
リバーブは、
- ERとTailを分けられるもの(ValhallaRoomとかReverberateとか)
- なんか好きなやつ
上記の2点は少なくとも持っておきたいです。
理想としては、どうしてもお値段は張りますが、ERとTailを分けられるリバーブは「コンボリューション」を用意しておきたいです。
理由は、コンボリューションは実際の部屋の反響をシミュレートできるので、よりリアルな部屋鳴りを作れるからです。
ただERとTailを分けられるコンボリューションって結構なお値段のものばかりなので、アルゴリズミックでもまぁ、良いです。
また、自分の音楽らしさを付与するための好きなリバーブも用意しておいてください。私はNIのRaumが好きです。
ミキシングのやり方
長かったのですが、ようやく本題です。
やり方と順序についてまとめると、以下の通りです。
- 打ち込みを終えたトラックをwav化しておく
- ミキシング用の別プロジェクトを立ち上げる
- 楽器の位置関係を決める
- 楽器セクションをまとめるMIXBUSトラック、リバーブ用のAuxを用意する
- MIXBUSにリバーブ以外のエフェクターを全部挿す
- リバーブはERのみとTailのみとお好みリバーブを挿した3種類のAuxを作る
- MIXBUSトラックに挿したエフェクターで各々処理する
- MIXBUSとERをPre faderで繋ぐ
- ERとTailをPre faderで繋ぐ
- MIXBUSとお好みリバーブAuxをPre faderで繋ぐ
楽器の位置関係決め、ミキシング用のプロジェクトの形、MIXBUSで行う処理、リバーブの設定がややこしいかと思うので、それぞれ解説します。
楽器の位置関係決め
今回はオーケストラとシンセなので、左右のどこに何を置くか、というのはほぼ確定しているかと思います。
弦は手前、その後ろに金管と木管、その後ろにパーカッションやハープ。ピアノを使う場合は手前。みたいな。
シンセは音色や役割で決めちゃってよくて、リードは手前、ベースや和音担当は中間、パッドは奥。
どの楽器をどの辺に置くか、というのはエフェクトの処理とリバーブに関わるので、この時点で計画を立てておいてください。
配置の割合は、手前:中間:奥=2:6:2くらいにするとバランス良いです。
ミキシング用のプロジェクトの形
ミキシング用のプロジェクトで必要なものは、
- 楽器セクションをまとめるMIXBUSトラック
- リバーブ用のAux
です。
私は以下の形にしてます。
画像の上から、
- MIXBUS(オレンジ〜黄色のトラック)
- リバーブAux
- 打ち込み音源をwav化したもの(黒)
(水色)
です。
MIXBUSは楽器セクションごとに作ります。ストリングス用、ブラス用、といった感じ。
そこに、該当するwavを流し込みます。wavのアウトプットを各MIXBUSに割り当てる感じです。
リバーブは、
- 指揮者もしくは客から見て近いClose
- その後ろのMid
- 最後列のFar
という3つのERをまず作ります。
また部屋の反響をシミュレートするTail、好きな雰囲気を作るためのリバーブトラック(Roomとします)も作ります。
ちょっとややこしいので、ルーティンを図説すると以下のような感じになります。
画像の赤い線は直接繋げるもの、青と緑はPrefaderで繋げるものです。
MIXBUS→ER,MIXBUS→Tailの接続のみPrefaderで、他は直接繋げます。
図にはないRoomリバーブもTailのように立ち上げますが、ERは介さず、MIXBUSとPrefaderで繋げます。
MIXBUSに挿すエフェクタとそれぞれの処理
wav化した音源は生演奏で、MIXBUSは実際のコンソール、みたいな感じにしています。
そのためMIXBUSには、
- テープシミュ
- プリアンプ
- チャンネルストリップ
- リニアEQ
の順で挿します。
テープシミュ
プリアンプも同様ですが、エフェクトをオフにした際に音量が変わらない程度にアウトプットを調整する、というのが基本になります。
その上で、
- フルサンプリングは、インプットの針がちょっと動くくらいにする
- その他の音源では、ピークでメーター0dB手前くらいまでインプットを上げる
と設定します。
こうすると、いい感じのサチュレーションが付与されます。
プリアンプ
テープとほぼ同じ使い方なんですが、フルサンプリングの場合はサチュレーションが過剰になるので、OFFでも良さそうです。
プリアンプ系エフェクタはテープとは違った歪み方をする(ような気がする)ので、あとひと押し、といった具合に使います。
私はUnitedPluginsのFront DAWを挿してます。
こちらはMOJOというツマミで倍音の増え方を調整でき、音抜けの調整ができるのでおすすめです。
ただこのプリアンプ、マイクを通ったあとのプリアンプという体で挿してますが、3ヶ月ほど試したこの記事を書いている現時点ではテープシミュだけでも十分かな、と感じてます。
ぶっちゃけFront DAWのMOJOをいじる程度になっているので…。
チャンネルストリップ
マイクを通りプリアンプを通った後のコンソール、という体で挿します。
そのため、必ず実機のシミュレートを使ってください。
また、チャンネルストリップについているコンプやEQは以下のように使います。
コンプ
楽器の距離感を作るために使います。
- 手前で鳴らしたい楽器:コンプなし
- やや後ろで鳴らしたい楽器(主旋律以外):1.5:1, Attack 5ms, Release 10ms, Reduction -1dB
- 後ろで鳴らしたい楽器:1.5:1, Attack 5ms, Release 10ms, Reduction 〜-4dB
手前で鳴らしたい楽器はかけず、ちょっと奥に配置したいものには掛けていく、という感じです。
ちょい奥は-1dBだけリダクションするように掛けて、最後列は-4dBリダクションするように掛けます。
ゆるめ、早めのコンプなので、瞬間的に引っ込む感じになるかなと思います。
ローカット
鳴っていない帯域をぜんぶカットする感じで設定します。
例えば、バイオリンなら200hz以下は鳴らないと思うので全カット、みたいな。
ハイシェルフ
高音域を補助的にブーストする、という使い方をしますが、前段のサチュレーションで正直十分ブーストされてるはずなので、どうしてもという時に使います。
目安としては以下の通りです。
- 手前で鳴らしたい楽器:8kHz以上をブーストする(3~6dB程度)
- やや後ろで鳴らしたい楽器:ブーストしない
- 後ろで鳴らしたい楽器:8kHz以上を若干下げる(1~3dB程度)
あんまり過度にすると悪目立ちするので注意が必要です。
リニアEQ
このEQは補助的な使い方をします。
以下の処理を行いますが、意味が分からなかったらやらなくて良いかなぁとは思ってます。どうしても耳が肥えてこないとわかりにくいので…。
- どうしても音が固まってしまい変な共鳴が発生してしまう部分をリダクションする
- 基音を少し下げて倍音が強調されるようにする
- バイオリンは4kHz辺りを下げる(シャリシャリ鳴る部分なので)
1つ目の「変な共鳴」は、楽器の特性上どうしても鳴りやすい音域で発生している気がします。状況によるので明確には言えないです。
この共鳴は、楽器によりますが「こ〜ん」とか「もぉ〜ん」みたいな、明らかに楽器の音じゃないこもった感じに聞こえるかなと思います。そこをQ値高めのキツいBandEQで削る、という処理です。
特に聞こえないなぁという場合は、音を削っちゃうと変に楽器が薄れるのでやらない方がいいです。
上記のEQ処理についてはこちらの動画を参考にすると意味が分かるかなと思いますので、ぜひ見てください。
リバーブ専用Auxの設定
リバーブはER、Tail、お好みのリバーブの3種類を使います。
それぞれ解説します。
ERは3段階で分ける
ERは「アーリーリフレクション」の略で、最も早く聞こえる楽器の反響音のことです。
部屋の広さや部屋のどこら辺で楽器が鳴っているか、といったことを感じるために必要な音なので、立体感を生む上ではとても重要です。
リバーブの設定は以下の通り。
- Close/手前で鳴らす楽器用:ER/Tail を90%くらい、Pre delay 40ms、トラックフェーダーは-18dBくらい
- Mid/ちょい奥で鳴らす楽器用::ER/Tail を80~70%くらい、Pre delay 25~20ms、トラックフェーダーは-7~8dBくらい
- Far/奥で鳴らす楽器::ER/Tail を50%くらい、Pre delay 8ms、トラックフェーダーは0dB
上記に加え細かいのですが、
- 手前で鳴っているものはハッキリと聞こえ、遠くで鳴っているものはハイがちょっと落ちる
- 手前で鳴っているものは左右にしっかり広がって、遠くで鳴っているものは真ん中寄りで聞こえる
ということも考慮して、リバーブ側のEQやステレオ感を設定しておくと、より立体感が出ます。
8~6kHzをカット、ステレオ感は+30~-30%の間で設定すると程よいかなと。
↑Close ERの設定例
↑Far ERの設定例
このとき、MIXBUSからのSendはPrefaderで、送る音量は100%(フェーダーでいうと0dB)固定にしてください。
ERは楽器を鳴らす場所に応じた3段階なので、リバーブトラック側のフェーダーでウェット・ドライを管理した方が見やすいです。楽器別にするとややこしい。
ただ、フルサンプリングのように部屋の反響を既に収録している音源は、ERにはほぼ送らない方が良いです。ERをミックスすると音がぼやんぼやんになってしまいます。
セミサンプリングやシンセなど、反響音が全く含まれていない音源は、先ほどの方法で部屋の反響音をミックスして距離感を作っていきます。
ところで最初に注意点の項で書いたことなのですが、ERのPre delayがなぜ上記の数値が良いのかが正直わかっていないです。
おそらく部屋の大きさ、一般的な指揮者との距離などから求める計算式があるはずなんですが見つからず…。もうちょっと調査してみますが、上記をベストとする人が多かったので、一旦固定にします。
ちなみに、一般的なバンドの場合はもっと狭いスタジオで収録するはずなので、Pre delayも10ms〜0msくらいで調整すると程よくなります。
Tailのみ鳴らすリバーブAuxを用意する
Tailは部屋の残響音です。ホールっぽい残響、スタジオっぽい残響など色々あるかと思いますが、「部屋で鳴らしている感」を足すために挿します。
MIXBUSからPrefaderで100%で送って、Tail側のフェーダーを調整してリバーブ感を足します。
体感、Tailは-20~-16dBくらいで調整すると良い感じかなぁと思います。
どんな種類のリバーブが良いか、というのは曲調や曲の雰囲気によるかなと思うので、自由に設定してみてください。
またERと違って、TailはフルサンプリングもしっかりPrefaderで繋いで、ひとつの部屋で鳴っている感じにします。
Roomリバーブ(雰囲気を足すためのお好みリバーブ)の設定
ここまで書いたER、Tailは「ひとつの部屋で鳴らした時の音をシミュレートする」ためのリバーブです。
もうひとつリバーブを別で用意しておくと良い感じのミックスができます。
たとえばソロで鳴らすバイオリンをよりプッシュするためのリバーブ、みたいな使い方ですね。
目立たせたい特定のトラックにのみかけるリバーブなので、本当に好みで良いと思います。
個人的にはNative InstrumentsのRaumのキラキラ具合、音の伸び感がすごく好きなのでよく足してます。
この時、Predelayの量をBPMに合わせてあげると、より気持ちよく鳴ってくれます。
BPMに対して1/4拍子にすればすごく壮大な感じに、1/16拍子にするとちょっと前に出てくる感じになるかなと思います。個人的には1/8が好き。
Predelayの量は以下サイトの表を参考にすると良きです。
https://sengpielaudio.com/calculator-bpmtempotime.htm
RoomリバーブはMIXBUSからPrefaderで100%で送って、リバーブ側のフェーダーで調整するとやりやすいかなと思います。
まとめ
長々と書きましたが、今回紹介したミキシングについてまとめると、
- ミキシングのゴールを決める(立体感を作る、生楽器系とシンセ系を馴染ませる)
- 立体感を作るためにコンプレッサー、リバーブを使う
- 生楽器とシンセの音のギャップを埋めるために、サチュレーションや実機系チャンネルストリップを使う
となります。
具体的な手法については簡潔にまとめてさっきの文章量なので、申し訳ないんですが読み返してください…。
今回の内容はできれば動画化したいんですが、いかんせんこの情報量なので、まとまった時間が確保できたらになりそうです。今年中にはなんとかしたい。
最後に、この記事が参考になったよーという方で余裕のある方は、gifteeでお布施いただけたらとっっっっっっっても嬉しいです。
有料級の記事を出したつもりですので、なにとぞなにとぞ。
https://giftee.com/u/oh_doridori
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