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ミキシングのやり方を見直したらかなりクリーンなサウンドになった(2026年1月現在)

2026年1月現時点での、私のミックスの手順です。
エフェクターそのものについて勉強し直して、かつ色々な人のやり方を見て、今までのミックスと比べてやることをかなり変えました。
その結果、結構すっきりクリーンなサウンドでミックスできるようになったので、備忘録的に書いておきます。


使うエフェクタ

かなり減らしましたし、プリセットも作って管理するようにしました。
今まで「挿すだけでサチュレーションがかかる」「ハイ・ローが削れる、持ち上がる」といった特性をガン無視して好きなエフェクターを使っていました。
が、そういった組み合わせのせいで余計な作業をしたり、帯域が埋まりすぎたり、色々な問題が起こっていただろうというを勉強し直しで気がつきました。

なので、まずはシンプルに必要最低限だけを使うようにしました。それが以下。

  1. SSL Channel Strip2
  2. UA Fairchild
  3. UA Pultec EQP-1
  4. AMEK Mastering Compressor
  5. Kirchhoff EQ
  6. HiFAL
  7. リバーブ2種、ディレイ2種
  8. (たまに)1176、LA-2A Tube

ミキシングにおいてはド定番だろうエフェクターだけを使うようにしました。
Fairchild、Pultec以外は挿しても原音になんら影響を及ぼさないものを採用しています。
これはサチュレーション効果などを管理しやすくするためですね。

1176などのコンプも挿すだけでサチュがかかるんですが、これは状況を見てたまにしか使わないです。

ミキシングの手順

大まかな流れとしては以下。

  1. アレンジを終えたトラックをwaveファイルとして書き出ししてミキシングのテンプレに置く
  2. 全トラックをピーク-1dBでノーマライズする
  3. フェーダーとパンで調整してラフミックスする
  4. SSL Channel Strip2のEQ、コンプで細かい調整をする
  5. リバーブ、ディレイで空間作りをする
  6. MIXBUSで全体をまとめる

アレンジとミキシングは、プロジェクトファイル単位で完全に分けて作業します。
アレンジが悪いのかミックスが悪いのかが判別付きやすいので、私は分ける方が好きですね。

で、書き出ししておいたトラックをテンプレに置いて、全部ノーマライズします。
いわゆるゲインステージングですが、アレンジの時点で-1dBピークにするのは相当至難なのでその時は気持ちよくアレンジするだけにして、ミキシング手前でノーマライズしてます。その方が速い。

そこから各トラックのフェーダー、(場合によっては)パンで全体的なバランスを取っておきます。
この時点で確定!というわけでなく、後のエフェクト処理で動くことはあるので、大まかにこういうバランスにしたいという感じで処理します。

SSL Channel Strip2のEQ、コンプで細かい調整をする


ベースと被る帯域をカットやリダクションしたり、ちょっと音がこもってるなーと言う時のハイミッド〜ハイの調整したりなどは、全部SSLのEQだけで行います。
全トラックの不要な部分のローカット、ハイカットもSSLでやります。
また、ピークが耳につく時のコンプもSSLです。
ここでの作業が一番時間がかかります。

Channel Strip2は9000シリーズのエフェクターバージョンで、9000は「クリーンサウンド」を売りにしているコンソールです。
実際に見てみると、アナログコンソールでありながら倍音が足されることもなく、EQもリンギングがかなり控えめです。本当にクリーン。
SSLというと4Kシリーズの方が人気な気がするし、比べると味気ない音のコンソールですが、音色変化を自分でコントロールする、という意味では使いやすいので採用しています。


そのSSLでEQ、コンプを行いますが、どうしても処理が足りない場合にKirchhoff EQだとか1176やLA-2Aみたいな定番コンプで整えます。
たとえば出過ぎてる帯域、あるいは耳障りな共鳴が起こっている帯域をKirchhoffで削ったり、リードやメロディ担当のダイナミクスを減らして存在感を出したりする、みたいな感じ。

リバーブ、ディレイで空間作りをする

これに関しては別の記事を参照。
【MIX学び直し】空間作りにおけるリバーブとは?ER、Pre-delayなどの設定の考え方


オーケストラ楽器はマイキングである程度整えてるのでERは要らないけど、全トラックをまとめると言う意味で薄くリバーブをかける。
それ以外の楽器は空間作り用のERを挿して、もうちょっと広げたい時にディレイを使って…と言う感じです。

使うディレイはちょっと悩み中。
現在はローランドのテープディレイ、Valhallaのディレイを使ってる。

MIXBUSで全体をまとめる


SSLで処理したトラック、ERとTailのリバーブ、ディレイなどが全部入ってくるトラックです。
ここで改めてSSLを通してどうしても膨らみすぎる帯域をEQで調整します。

その後、耳に刺さりがちな帯域をSchwave DigitalのHiFALで抑えて、Fairchildで全体のピークを軽く抑えて、Pultecでローとハイをブーストして…と作業してます。
HiFALとFairchildはとにかくキツく抑え込みすぎない、Pultecも空気感を保ちつつブーストするくらいで音がパリパリ、パキパキにならないように、というのを大事にしています。

最後にAMEKのマスターコンプを本当にゆるく、薄くかけてマスタリング用のヘッドルームを確保してます。

その他使ってるエフェクター類

自作のモノラル化+MIDだけに絞り込むエフェクターと、アナライザーを使ってます。

「ちゃっちいスピーカーで聞いた時の聞こえ方をチェックする」という目的で使ってるエフェクターです。
ステレオかつロー、ハイが気持ちよく出ていると大体のものって良く聞こえちゃうので、聞こえ方をしょぼい状態にすることで「その状態でも聞こえて欲しいものが聞こえるか」というのをチェックします。
消えがちなのがベースで、うるさくなりがちなのがリード、ベースです。本当に分かりやすい。

アレンジの時にも便利で、このエフェクターがONの状態で聞こえていないものは正直、要らない音だと判断できます。
良い環境じゃないと聞こえない音ということになるので。
最近のスマホもテレビも割と広い帯域聞こえるから、エフェクターそのものをちょっと調整した方がいいかもなんですけどね。


アナライザー類です。
音量はGoodhertzのラウドネスメーター、ステレオ感や位相ズレ、スペクトラムはiZotopeのInsight 2を使ってます。
スペクトラムはほとんど見ず、基本的には耳だけで判断しています。
どーーーーーーーーしても聞いても分からない帯域の濁りは、スペクトラムで判断してます。

Insightがデッカく表示できればラウドネスもそれで見るんですが、どうしてもコンパクトになってしまうので別で見てます。

書き出し後のチェックはAirpodsも使う

書き出ししてスピーカーはもちろんAirpodsも使って聞いてます。
Airpodsが一番「ダメなところ」のチェックに適している気がします。
バランスが悪いと本当に分かりやすい…。

スピーカーで聞いて、ヘッドフォンで聞いて、Airpodsで聞いて、それでようやくミキシング完了です。


これをベースに色々実験していく予定

ここからパラレルコンプを試してみたり、サチュレーションをかけたり…という形でちょっとずつ実験してテンプレを拡大しようと思ってます。
いきなり色々なテクニックを持ち込むのではなく、必要最低限の処理で思っているようなサウンドに仕上げられるようになってから、という。

あとはせっかく物を知ったのにテンプレから完全に外してしまったクリッパーとか、Pultec以外の選択肢とか、そういうエフェクターの入れ替えもちょっとずつやってみようかなーと。