オーケストラのミキシングで役に立つ(かもしれない)記事、動画
- 2020.09.21
- 打ち込みテクニック・Tips
今回は私的にとても参考になったオーケストラのミキシングを教えている記事、動画をまとめました。
いろんなサイト、動画を見て回って、とりあえず必須どころはここかなーというのに絞ってます
オーケストラのミキシング参考記事・動画
結論から言うと、ミックスというのはやはり味付けであって、元の音源が良くないとさっぱり意味ないです。料理に近い話で、元がスーパーの激烈安く原産国の怪しい豚肉なら、やっぱりその枠を飛び越えてA5ランクのイベリコ豚になることは、まずないです。あしからず。
ではミックスについて。「こういう音にしたい!」というリファレンス曲を立てるってのももちろんよくて、でも私のガバガバ耳じゃそこまで理解できないので、文章化、映像化しているものを探しまくりました。次の3つです。
・Cinematic Composing Course
有料のアレンジ、ミキシングコースを提供しているサイト。技術系のブログは無料。
・Alex Moukalaさんの動画
Mockup(打ち込みオーケストラ)がメインのEpic系に強いお兄さん。よく喋る。
・Waves Audio公式チャンネル
今回はAlan Meyersonさんのミックス動画
それから、ちょっと番外で“Musician on a Mission”というチャンネルも紹介します。
こちらはポップス向けなんですが、基本的なことが学べるのでオススメ。メルマガも登録しておくと尚良しです。
では別々に見てみましょ。
Cinematic Composing Course
https://cinematiccomposing.com/
作曲コースやらも提供しているサイトで、Blogを選択すると作曲からミックスから、色んなことが学べます。全部英文。
ここで教えていた手法をざっくりまとめると、次の通りになります。読み漏らしあったらごめん。
○アナログサチュレーション – サチュレーションを使う
ハーモニクスがしっかり出る
明るく、厚みが出る、暖かい中音域が出る
全てのチャンネルのヘッドルームを十分に設けること
音量は0dBに収まるように設定する
○リバーブ – ステムごとに違うリバーブを使う
ミックスやゲインをクリアになる
リバーブプラグインのローをカットする
コンボリューションリバーブでRoomを使う(音源が良いルームで録っている場合は不必要)
音の長さでステムを分ける
ロングノート:2.6s
ショートノート:1.5s
パーカッションはリバーブをあまりかけない、1s以下
○イコライゼーション
ストリングスは3500Hz付近を持ち上げる
ローストリングス1.5kHz〜100Hz辺りを持ち上げる
メールで送られて来るものはカットしてたような…?
○コンプレッション
パーカッションにのみかける
high, mid, lowの3トラックで別のコンプをかける
C6みたいなマルチバンドコンプでレシオ2.8:1、3dB以上はカットしない
Sub-bass drumsを分けてコンプをかけて、ちょっとゲイン上げる
パーカッシブなシンセにはコンプをかける、パッドにはかけない
とりあえずこんな感じでした。サチュレーション、リバーブはほとんどこのままパクってますが、確かに良い感じに分離し始めました。
Alex Moukalaさんの動画
ゲーム曲のアレンジとかを行ってる、Alex Moukala氏のミックス講座です。後述のAlan氏の動画を見てたけど、生オケとはやっぱりアプローチが違うからな…と思って見つけた動画。迫力がすごいです。
これ見ると、リバーブはValhalla roomを1つかけて、DryとWet量をAuxのフェーダで調整してるだけみたい。使っている音源は、Orchestral toolsのMetro polis Ark1とCinematic Strings2辺りらしい。元々の音の広がりをそのまま残して、全体をまとめるためだけにリバーブかけるってことなんだろうか。
他のコンポーズテクニックとかも中々参考になります。
Waves Audio公式チャンネル
Hans Zimmerの作品をいくつもミックスしている、Alan Meyersonさんの動画です。もうとにかくトラック数がすんごいので、追うだけで精一杯…。
見ていくと、はじめに紹介したCinematic〜と似ている手法がいくつもあります。例えば、
○サチュレーションを使う
使ったものはアナログシミュレート系のKramer Master Tape。ディレイ感をうっすら残す程度で、ほとんど挿すだけって感じです。
○EQでブースト
これもアナログシミュレート系のPuigTec EQsを使ってます。低音と高音をちょっと足す程度に留めてますね。
○リバーブはステムごとに
リバーブのトラック数がおかしい…。ショートノート、ロングノートで分けることはもちろん、マスタートラックにまたしてもKramer Master Tapeをかけてるっぽいです。どんだけかけるのよ。
コンプレッションだけちょっと違った手法で、ストリングスのショートノート、パーカッションにRenaissance Axxを使っているようです。ピークが出過ぎないようにちょっとかける程度でしょうか?
色々教えてもらえてるのに、いまいち英語が理解しきれてないせいで理由がわからん。むむむ
Musician on a Mission
ミックスのすっごい基本的な話から、部屋作りについてと色々解説しているチャンネルです。
特にこの動画は必見で、説明文にあるリンクなんかもちゃんと見ておくのをオススメします。
ちなみに私はこの動画で紹介されていることを、リバーブ以外、実直にやってます。それくらい参考にしてます。
オーケストラのミックスは「味付け程度」
総じて言えるのが、凄く極端なミックスはしない、ということでしょうか。バッツバツのコンプもかけないし、低音をズドンと前に出すRbassも登場しないし。Centerも使わんか、そうか。
というのも、「そもそもの音源がよく作り込まれている」というのが条件であって、ミックスというのは元の音源の塩っけさだのハーブを添えるかどうか決めるだの、本当にトドメの味付けを行う作業。ミックスで分離とかは…やらんみたいです。
もしかしたら、今後ミックス作業なんてものは要らなくなるくらい、よく作り込まれた音源が出るかもしれません。あとは打ち込む側の技術力…かもしれません。
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