オーケストラ向けリバーブプラグインのおすすめ7点を比べてみた
- 2020.09.09
- レビュー
今回はオーケストラのミキシング・マスタリングにおすすめなリバーブを7つ、私の曲で比較してみました。
もちろん今回比較したリバーブたちはジャンルレスに使えますが、私がオーケストラものをメインに作っているので、あくまでそちら寄りのレビューです。
ちなみに、リバーブはマジで沼です。なぜって、わかってくると使い分けたくなるからです。この楽器はこれでー音の長さこういう時はーって…。そうはなるんじゃないぞ…。
比較した7つのリバーブについて
よく使われるリバーブを7つ集めてみました。
本当はAltiverb、LexiconのPCMを使いたかったんですが、なぜかDemoが認識されず…なにが悪かったんだろう?
さておき、比較するのは以下です。
- Space Designer(Logic純正)
- Waves RVerb
- Valhalla Room
- EAReverb2
- Breeze2
- FabFilter Pro-R
- Exponential Audio R4
Space DesignerのみLogic Pro純正で、他はサードパーティ製です。特にWavesのRVerb、Valhalla、FabFilterは有名かなー?と思います。
そこに私が普段使ってるEAR2、オススメされたBreeze2を加えて聞き分けてみたいと思います。
で、比較の方法について以下。
- Wet100%、Dry0%
- ホール系のシミュレート、Decayは2.6s
- 8kHz以降は基本、削る
※違いを分かりやすくするために、Dryは完全にオフにしてます。
各リバーブを同じ設定にするのは難しいので、なるべく近い設定にして書き出しました。
途中途中挟まる画像が、書き出した際の設定です。
また、リバーブかける前の2mixは下みたいな音です。mp3のストリーミングってだけあって、あまり音が良いとは言えないです。
では早速、聴き比べてみましょー。
Space Designer(Logic純正)
言わずもがな、Logic ProXの純正リバーブです。
設定は画像の通り。
で、先ほどのDryにかけた音はこれ。
かなりズバアアアアアアンって感じに、物凄く反響しまくった感じにかかりますね。
元の音を際限なく広げて、中〜高音に寄せた感じの音になりました。
なんとなくカリカリ、コワンコワンっとしてる気がしますね。解像度が低い?というか。
ちなみに、Wetを0dBまであげると元の音より大きな音量になります。なぜ…?
Waves – RVerb
Wavesのルネサンスシリーズより、RVerbです。
そこそこ軽くて扱いやすいリバーブですね。
で、かけた音がこれ。
Space Designer(以下SD)よりももっと真ん中寄りで、低音もそこそこって感じですね。ジューシーな、分厚い感じになりました。
厚みが出るってことを考えると、なんか音圧低いかな…って感じた時の調整に使えるかも?
WavesのGold以降のバンドルに収録、もしくは単品で売られてます。
値段 | ¥96,000(しょっちゅうセールしてるので変動します) |
どんな人向け? | 無難な音が欲しい人 |
購入ページ | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/202164/ |
Valhalla Room
名前からして期待しかない、Valhalla DSPのリバーブです。
80年代向けーとかプレートとかありますが、オケに使ってるので聞くのはRoomですかね。
JunkieXL、Alex Moukala(Youtubeで色々解説してくれてる方)が使ってるのは見ました。
肝心の音はこちら。
RVerbとは全然違って、かなり高音がキラキラしました。
キラキラ通り越して若干シャリっとしてて、単品で聞くのはちょっとキツイくらい…!
こう聞くと、音抜けの調整にはとても使えそうですね。Wet/Dryの比率がちょっと難しそうですが。
値段 | $50 |
どんな人向け? | とにかく動作が軽いものが欲しい人 |
購入ページ | https://valhalladsp.com/ |
FabFilter – Pro-R
いよいよ本命って感じがしてきました。
高クオリティなエフェクタを作ってることでおなじみ、FabFilterからPro-Rです。
もう見た目からして絶対に音が良い。
滑らかなアナライザーがめちゃくちゃ見やすい。
音が悪いわけがない。
では早速、聴き比べてみましょー。
SDやValhallaと比べると輝きに劣るものの、原音を潰さず殺さず、アナログ感のある残響を作ってるって感じがします。
これまで紹介してきたものはEQ的な補助としていいねーなんて言いましたが、これはWet/Dryをキチッと調整すれば思った通りの広がり・音抜けが得られるかな、と。
おそるべし、FabFiler…。
値段 | $199 |
どんな人向け? | アナログ感があるリバーブが欲しい人 |
購入はこちら↓
eaReckon – EAReverb2
続いては、私がメインで使っていたEAReverb2です。
PRO、SEではフツーにパラメータいじって使うリバーブとして。
POSモードでは「ホールのどの位置で演奏しているか」をGUIで調整して、音作りできるというめっちゃ便利なリバーブです。
詳しくは公式サイトを見ていただくとして、音はこちら。
SDをもうちょっとクリアにしたような、めちゃくちゃ派手にフラットに鳴る感じです。良くも悪くも味がない、というか。
FabFilterのような暖かさはないんですが、こちらもWet/Dryを調整して広がりを作りやすいリバーブです。
抜けをよくしてーというより、残響の調整に適してますね。
値段 | ¥15,594(2020年7月現在) |
どんな人向け? | 楽器の配置をしっかりシミュレートしたい人 |
購入ページ | https://www.eareckon.com/en/products/eareverb2-reverb-plug-in.html |
2CAudio – Breeze2
ぶっちゃけて今回の本命で、私からするとダークホース的なリバーブです。
なにせ、初めて聞いたメーカーですので…。
しかしまぁ…なんだろうね、このクソダサなUIは…。
色合いがチープなのか?WET MIXという文字の主張の強さのせいか??
少しリッチな無料エフェクタみたいな雰囲気でちょっと心配なんですが…音はこちら。
お分かり…いただけただろうか。
0:10~からのチェロ〜コントラバスの鳴り、ブラスの鋭さ。
プリセットのせいで抜けが悪く感じるが、音が割れた感じもなく、残響のもわもわ感もなく、音がとにかく丁寧に伸びる。
高音寄りのプリセットにしても解像度の高さは健在なので、ロングトーン用、マスタリング用のリバーブとしてめちゃくちゃ活躍してくれそうだと思いました。
見た目ダサいって言ってごめん…。
値段 | $149.95 |
どんな人向け? | 丁寧な音質を求める人 |
購入ページ | https://www.2caudio.com/products/breeze#_Breeze2 |
ちなみに上位版のB2はめちゃくちゃスペック食うものの、さらにこれの上を行く音らしい。
やっぱり、リバーブは沼だねぇ…。
追加:Exponential Audio R4
最近、メインで使い始めたリバーブです。
iZotopeのリバーブ。破格で売られているPhoenixverbや、R2の最上位互換ですね。
通常のER, Reverb Tailに加え、コンプ、ドライブ、コーラス機能を搭載した多機能なエフェクタです。
これも結構音が良い!ややアナログな感じ、デジタルっぽさも若干ある?ような音。
フワッと温かみがありつつも、スッキリとしてます。
お値段は通常$299とちょっとお高いんですが…音作りの幅が広く、プリセットも充実してるので扱いです。
値段 | $299 |
どんな人向け? | リバーブの音作りにこだわりたい人 |
購入ページ | https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/263366/ |
↓R4についてはこちらでもうちょい細かくレビューしてます!
リバーブプラグイン・Exponential Audio R4のレビュー(割と真面目)
7つのリバーブを比べてみました
デモを用意できたリバーブ、7つの比較でした。
何か気になるものは見つかったでしょうか?
個人的にオススメなのは、FabFilter Pro-Rと2CAudio Breeze2です。
EAR2はよく使ってるけど、比べちゃうと聴き劣りしちゃう…。
とはいえ好みの問題もあるので、このブログを参考にしつつお気に入りが見つかれば幸いです!良き沼ライフを!
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