Spitfire Studio Woodwindsレビュー【使い方動画あり】
- 2020.09.14
- レビュー
Spitfire AudioのStudioシリーズ、木管ライブラリの”Spitfire Studio Woodwinds”のレビューです。
パッチの量、各オートメーションに対する反応の滑らかさなど、さすがの使いやすさを持ちながら、ちょっとユニークな音まで出せるハイクオリティなライブラリです。
実際に音を出したレビュー動画も作りましたので、ぜひ見てくださいね。
Spitfire Studio Woodwinds概要
https://www.spitfireaudio.com/shop/a-z/spitfire-studio-woodwinds/
Studioと名が付く通り、小規模オーケストラ向けのスタジオ“Air Studio One”で収録された音源です。これはシリーズ共通。
この木管ライブラリに収録されている編成は以下。
- ピッコロ
- フルート – ソロ、3本
- アルトフルート
- クラリネット – ソロ、3本
- バスクラリネット
- オーボエ – ソロ、3本
- バスーン – ソロ、3本
これまたストリングスやブラスと違って、そこそこの規模が収録されています。シリーズをフルアンサンブルで鳴らしても負けないくらい、しっかりと音量が出ます。
またアルトフルート、バスクラリネットが収録されているというのも面白いですね。コーラングレはProfessional版のみっぽいです。残念。
使い方とパッチについて
これもシリーズ共通なので、細かくは書きません。ざっくり紹介します。
おなじみの画面です。
通常盤はTreeなので、マイクの設定は動かしても意味なし。ダイナミクスはモジュレーションホイールで動作、Vibratoはそのままビブラートの加減、Expressionはボリューム操作になります。
各奏法はクリックして選択するか、Command押しながらクリックで切り替え方法の設定が行えます。
またスパナマークを押すと、写真下側のような細かい設定画面が表示されます。
ユニーク機能として、Woodwindsの奏法”Swells”、”DoubleTongue”のみ機能するパラメータ“Variation”があります。
パラメータを右に振ると、タンギングなら「タララララ」と5回、左に振ると「タララ」と演奏が変化します。
使いこなせたら中々面白い機能ですね!
パッチです。通常のパッチは写真の通りで、“_Advanced_”を選択すると次の写真のようにフォルダがたくさん出てきます。
各奏法を独立させたパッチ、一部の奏法にのみ絞ったパッチなどが収録されています。DAWのプリセット作りが非常に自由になるので、めちゃくちゃ便利だな…というのが素直な感想。
実際の音をレビュー
また動画にしたためました。
動画でも白状しましたが、他の木管音源(majestica除く。あれは全然別もの…)を持っていないので比較できないんですが…
- 透き通ったキレイな音
- 細すぎず静かすぎない音圧で埋もれにくい
- レガートパッチだけでも十分使える
という印象です。
もちろん3管かつスタジオ音源なので、ダイナミックに広がってくシンフォニックな音ではないです。その分スタッカートの頭が揃いやすく、キレ良く鳴ってくれるので、私的には使いやすいなって感じました。
また、さすがはSpitfire Audio製と言うべきなのか、急なBPMの変化やオートメーションにも違和感なく対応してくれます。結構、無茶苦茶な注文も受け入れてくれるプロフェッショナル集団ですね!w
ちなみにBrassのレビューでは”Epic系には向かない”と書きましたが、アレ系のジャンルで木管が活躍するのってソロくらいですし、その点を鑑みても買いかなーとか思います。何より、安い。
総評:Spitfire Studio Woodwindsは万能
音・パッチ共に非常に使いやすいと思います。特にStudio音源ということでリバーブ感が薄く、オーケストラ以外のアンサンブルにも馴染みやすいと思います。
どうしてもTreeのみというマイク制限から、やや遠く感じたり、ショートディレイがかかってる感じがしたりします。そこらへんはもう、Professional版を買うしかない…かな。
ただ値段の割に楽器数や奏法、パッチが充実しているので、木管音源持ってないんだよね…って人から、既にオケ系の音源を揃えてる人までオススメかなと思います。
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