Spitfire Studio Brassレビュー【使い方動画あり】

Spitfire Studio Brassレビュー【使い方動画あり】

ストリングスに引き続き、Spitfire Studioシリーズの金管ライブラリのレビューです。
使い方やパッチの内容などを書きつつ、実際の音を動画で解説しました。

曲つくりで使ってわかった、この音源がおすすめな人なども書いてますん。


Spitfire Studio Brass概要

Spitfire Audioの作るスタジオ音源シリーズ、金管が収録されたライブラリです。
https://www.spitfireaudio.com/shop/instruments/brass/spitfire-studio-brass/

収録楽器は以下のようになってます。

  • ホルン – ソロ、4本
  • トランペット – ソロ、2本
  • テナートロンボーン – 2本
  • バストロンボーン – 2本
  • チューバ
  • チンバッソ

他のライブラリと比べてお得な値段でありながら、ソロ音源、珍しいチンバッソが収録されているという、太っ腹なライブラリです。パッチも非常に充実しています。

ただ、これは他のStudioシリーズ共通ですが、マイクがTreeのみなのでちょっと扱いにくい…という弱点が。こればかりはPro版買ってくれーという、メーカー側の本音からでしょう。

ちょっと気になるのが、ストリングスの編成人数(8,6,6,6,4)に対し、金管分厚くないか…?という点。

おそらく最近の映画、ドラマ音楽の需要がこういう形態なのかなと思うんですが、同じ音量設定で鳴らすとストリングスがほぼ消えます…w

使い方、パッチについて


使い方についてはストリングスの記事でも述べた通りです。

ダイナミクスはモジュレーションで操作、Expressionで音量を操作。各奏法はクリックして選択するか、Command押しながらクリックして切り替え方法を設定するか。

スパナのアイコンをクリックすれば、より細かくセッティングできます。


パッチもストリングスと同様に、各奏法ごとに立ち上げたり、メモリの消費を抑えたパッチがあったりします。

大量のパッチがあるおかげで、DAWのプリセットの自由度が格段に上がるってのはホント、ありがたいな…。

工夫すれば低スペPCでも十分使えると思います。

実際の音(動画で解説)

またしても動画で解説しました。

扱ってて感じた音の印象としては、

  • ほどよく厚みがない
  • 音の立ち上がりが早め
  • レガート、ロングトーン系のパッチも短い音符にしっかり対応する

という感じです。

打ち込んでても思ったし、レビュー動画でも単体で鳴らした時になんとなく「しょぼい」感じに聞こえるかと思います。

なので、Epic Orchestralあるある、金管だけで音圧作ろう!と思うと、てんでさっぱり上手く鳴らない。このシリーズ全般、そういう使い方は向いてないんでしょう。

逆に、しっかりオーケストレーション組んでいくと、適度な厚み、音抜けがあるので、本来のオーケストラをやりたい人には扱いやすいと思います。


Spitfire Studio Brassは玄人向け?

総評として、めちゃくちゃ無難な金管のライブラリという感じです。ソロ音源も収録していて、パッチも充実しているので、マイクを除けば自由度が高いと言い切れます。

で、「玄人向け」と書いたのは、音の部分のこと。

最近人気なシネマティック系ド派手金管とは対照的に、アンサンブルをしっかり作ってこそ本領を発揮する音源であって、簡単にカッコいい音が出せる訳ではないです。

Epic、Trailer向けブラスが欲しい人にはおすすめできず、オーケストラを主体にした音楽を作りたい人にはおすすめ、って感じですね。