Spitfire Studio Brassレビュー【使い方動画あり】
- 2020.09.16
- レビュー
Spitfire Studioシリーズの金管ライブラリのレビューです。
使い方やパッチの内容などを書きつつ、実際の音を動画で解説しました。
曲つくりで使ってわかった、この音源がおすすめな人なども書いてますん。
Spitfire Studio Brass概要
Spitfire Audioの作るスタジオ音源シリーズ、金管が収録されたライブラリです。
https://www.spitfireaudio.com/shop/instruments/brass/spitfire-studio-brass/
収録楽器は以下のようになってます。
- ホルン – ソロ、4本
- トランペット – ソロ、2本
- テナートロンボーン – 2本
- バストロンボーン – 2本
- チューバ
- チンバッソ
他のライブラリと比べてお得な値段でありながら、ソロ音源、珍しいチンバッソが収録されているという、太っ腹なライブラリです。パッチも非常に充実しています。
ただ、これは他のStudioシリーズ共通ですが、マイクがTreeのみなのでちょっと扱いにくい…という弱点が。こればかりはPro版買ってくれーという、メーカー側の本音からでしょう。
ちょっと気になるのが、ストリングスの編成人数(8,6,6,6,4)に対し、金管分厚くないか…?という点。
おそらく最近の映画、ドラマ音楽の需要がこういう形態なのかなと思うんですが、同じ音量設定で鳴らすとストリングスがほぼ消えます…w
使い方、パッチについて
使い方についてはストリングスの記事でも述べた通りです。
ダイナミクスはモジュレーションで操作、Expressionで音量を操作。各奏法はクリックして選択するか、Command押しながらクリックして切り替え方法を設定するか。
スパナのアイコンをクリックすれば、より細かくセッティングできます。
パッチもストリングスと同様に、各奏法ごとに立ち上げたり、メモリの消費を抑えたパッチがあったりします。
大量のパッチがあるおかげで、DAWのプリセットの自由度が格段に上がるってのはホント、ありがたいな…。
工夫すれば低スペPCでも十分使えると思います。
実際の音(動画で解説)
またしても動画で解説しました。
扱ってて感じた音の印象としては、
- ほどよく厚みがない
- 音の立ち上がりが早め
- レガート、ロングトーン系のパッチも短い音符にしっかり対応する
という感じです。
打ち込んでても思ったし、レビュー動画でも単体で鳴らした時になんとなく「しょぼい」感じに聞こえるかと思います。
なので、Epic Orchestralあるある、金管だけで音圧作ろう!と思うと、てんでさっぱり上手く鳴らない。このシリーズ全般、そういう使い方は向いてないんでしょう。
逆に、しっかりオーケストレーション組んでいくと、適度な厚み、音抜けがあるので、本来のオーケストラをやりたい人には扱いやすいと思います。
Spitfire Studio Brassは玄人向け?
総評として、めちゃくちゃ無難な金管のライブラリという感じです。ソロ音源も収録していて、パッチも充実しているので、マイクを除けば自由度が高いと言い切れます。
で、「玄人向け」と書いたのは、音の部分のこと。
最近人気なシネマティック系ド派手金管とは対照的に、アンサンブルをしっかり作ってこそ本領を発揮する音源であって、簡単にカッコいい音が出せる訳ではないです。
Epic、Trailer向けブラスが欲しい人にはおすすめできず、オーケストラを主体にした音楽を作りたい人にはおすすめ、って感じですね。
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