劇伴は作品のターゲット層に向けて作編曲してるんだろうなって思った話
- 2021.03.10
- 読み物
考えてみれば当然なんだけど、改めてまとめてみたいなーと思ったので書きました。これから作品を作るときのアイデアとして良いかなーと。
ここから書くことは「当たらずとも遠からず」ってところだと思うので、あんまり過信せず読み物として消化してください。
この記事には日本の作品は一切出てこず、20thFOXとかDream Worksとかあの辺の話です。ご注意ください。
曲雰囲気まとめ
まとめると以下かなと。
- シニア向け・音数少なく”意味深”な雰囲気に
- 青年向け・構造的にはシンプルでシリアス・鈍重に
- 子供向け・全体的に腰高でどんちゃん騒ぎ
ここでいうシニアは30〜40代以降、史実系だったりヒューマンドラマだったりが多くなる世代。老人って意味じゃなく、あくまで年が上ってことね…。
青年は20〜30代、マーベルとかスローンズとかグロ、エロ、シリアスありの世代。
子供向けってのはそれ以下、小学生〜高校生入るかなってくらい。
話の内容をなるべく揃えて大きな違いが出ないようにーとは思ったんですが、アニメなり映画なり作品自体が年代ごとに傾向決まってるんですよね。
なのでもう本当に、ざっくりとした話になります。
シニア向け・音数少なく”意味深”な雰囲気に
Thomas Newmanの1917より。もうすっごいワクワクした映画で、この曲のシーンは凄すぎて泣いた…。
この曲だけじゃなくこういった映画はメロディに当たる部分は白玉が多く、楽器が入り組んだりってことはなく、実にシンプルな内容であることが多いです。
またコード進行も全然進行しない、ワンコード上で動くだけ…とか。
分かりやすいのだと、Dark knightシリーズ以降のHans Zimmer。彼、しまいには「レ」だけ鳴らして終わりってことありますからね。
おそらく、話の深さや画の持つ意味がすごく重要視され、考えながら見る余地が欲しいから音楽をシンプルにしたのかな?と。
あとはシンセにしろ生音にしろ、全体的に音の重さ・芯の太さが重要視されてる気がします。安っぽくないんですよね。
話に集中しやすくするってのはあるんでしょうけど、それほどまで情報量を減らさないと頭が追いつかないってものまぁ…あるよね。
青年向け・構造的にはシンプルでシリアス・鈍重に
Bear McCrearyのGODZILLAを例にします。
いわゆるSFとかアクションとかが固まった年代かと思うのですが、ここになるとパワフルなサウンドメイクが多いです。
パーカッションとかシンセとかですっごいパンチが強い音、重低音から中音域からとにかくマッシヴ。そりゃ内容的にそうだわなって。
ストリングスやブラスの速い動きこそあって激しい雰囲気になってるけど、実はそこまでテクニカルなことはしてない曲が多い。
また、次項に出す曲のような1曲通して無茶な展開はないなど、そこそこシンプルな中身だなーとは思いました。
子供向け・全体的に腰高でどんちゃん騒ぎ
ペンギンズ好きなんですよ。真面目なボス、おふざけ担当、のっぽ、頭おかしいやつ。派手なこと始めるのに大体いつもの場所に戻って終わるの。話の中身ねーの。
こういった子供向けはまぁ大体がギャグ、コメディだからか、とにかく明るくハッキリちょっとわざと臭い主旋律、とにかく入り組んだ複雑ではちゃめちゃな副旋律が飛んでくる慌ただしさ。
子供って情報量多いものを面白がるからなんかな、ってのも思った。
1曲がキャラの動きや場面を追うようにものすごく展開するから、メロディってなんだっけ?ってなる曲が多いですね。
それから、サブベースめっちゃ感じるズドーンって音が少ない、迫ってくるようなスリリングな曲が少ないのかな。そういう重すぎる音や鬼気迫る音ってのは子供には精神的にキツいのかなぁ?なんて思いました。
他だとPetsとか、How to train your dragonとかでしょうか。いずれもめっちゃ複雑、テクニカルな曲が多いです。
逆に、フィニアスとファーブ、レゴシリーズみたいなアニメだと、めっちゃ歌が多くなる。これはなんだろう…?
どこの層向けかって考えるのも曲作りのアイデア出しになりそう
これから作る曲はどこの層向けなんだろう?とか悩んだときに、ここまでに紹介したことを意識すると、とっかかりや編曲方針を掴めるかもしれません。
方針が決まったら、あとは使う楽器で雰囲気が変わってくるので、より固まってくるかなと。
全力で好きなものをブチ込むばかりでなく、頭使って作るのも楽しそうですよね!
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