この記事では主に「Netflixで見た海外のドラマ・映画の劇伴」についてを書いてます。ので、日本の話は全然出てこないです。
正確にはサントラを紹介します。劇伴っていうとこう…映像とセットで紹介しないと個人的にモヤるので…。
どんな楽器が登場するか、音作りはどうか、雰囲気はどうかってのを私の思考整理ついでに紹介しますね。
紹介するドラマ・映画
ドラマ3本、映画1本ですね。ドラマは割と流し見できるんですが、映画ってマジで本腰入れないと頭から抜けていってしまうんでねぇ…古戦場回りながらは無理。
- The Witcher
- DARK
- LUPIN
- TENET
ダークファンタジーのゲームでおなじみウィッチャーのドラマ版、ドイツのドラマDARK…などですね。
物語とサントラの内容をカンタンに書いていきます。
※貼ってある動画はトレイラーなので本編の曲とは違う部分多めです。
公式のサントラが見当たらなかったので代わりに貼ってます。ご了承ください。
The Witcher
いやーマジでこれかっこよかった!!続編はいま作ってるそうです。
おそらくゲームをプレイした人からしたらこんなイベントねーよとか、こんなキャラだっけ??みたいな点はあるのかもしれない。そこはすまん、分からん。
ただドラマシリーズとして作ってるにしては映像も話も非常にクオリティ高いので、ちょいエログロですがそれが大丈夫ならオススメ。
サントラの話。使ってる音としては「オーケストラサウンド+民族楽器+ときどきシンセ」で、全体的に民族的な雰囲気。
物語はスラブ神話がベースになってる部分多いので、民族的っていってるけど正確には中欧・東欧のSlavic系にはなるんですかね??スケールやらリズムやらが非常に特徴的です。
ときどき「くるみ割り人形」みたいな、ロマンティックな雰囲気もあります。幅広いな…。
基本的には街は民族系アンサンブル、ロマンチックな雰囲気にはストリングスがメイン、戦闘はオケ+民族+シンセって割り振り。
シンセは低音を足すとか、後ろの方でドローン的なものを鳴らして雰囲気重くするとかって使い方…だったかな。テーマ曲では派手に鳴ってますが、他ではあんまり目立たないですね。
ファンタジー系の劇伴を学ぶぞ!って人にすごくオススメですね。
DARK
ドイツのSFドラマ、現代〜過去〜未来と時間を超えていくミステリーSFもの。シーズン3までのドラマなんですが、話がキレイに終わるし話のトリックが素晴らしいし、とにかく良かった!!こういうの好き!!!!
ある日、人が自殺をして、子供が失踪して、身元不明の遺体が見つかって…と事件が重なり、街の人が事件解決のために動き始め…という感じの導入なんですが、どうしてもネタバレができない!!!ちょっと言うと全部繋がっちゃう!!!!!あー!!!
サントラは重々しい雰囲気、メロディは超シンプルな2音フレーズの変化。サウンドはストリングス+シンセで、6割シンセですかね。
Interstellar、Inception、後述のTENETとかの系列っぽい雰囲気ありますね。如何にも現代のサントラって感じ。
ドイツってシンセサウンドに関して大体いつも最先端なイメージ。歌アリのEDMはオランダとかだけど、シンセがメインのTechnoやAmbientはドイツってイメージ。勝手なイメージですが。
シンセとオーケストラを上手に混ぜる現代のサントラを学びたい人にオススメですね。私は今回紹介する中で一番推したい。
LUPIN
フランスのドラマシリーズ、ご存知ルパンですね。調子の良い3世の方でなく、本家「怪盗ルパン」の現代版です。
一応アクションものに該当するのかな?1話目からいきなりフェラーリぶっ飛ばしてぶっ壊すとかかなり大胆ですが、盗みや逃げの手口がかなりスマートなのでスッキリ見れます。
サントラに出てくるジャンルは結構幅広め。いかにもフレンチなしっとり・足取り軽やかなクラシカル、現代的なオスティナートずんずくする系オーケストラ、ときどきHiphopの大体3パターンですかね。多彩な変化もまた「怪盗ルパン」ならではといったところでしょうか。
こちらは主題曲のメロディ抜粋。導音で引っ張ってからのヌルッと加速してダイアトニック外の「ラ」を使って次のコードと、オシャレにトリッキーにまさに怪盗ルパンですね!綺麗だわぁ…。
使われている楽器は基本がストリングスのアンサンブル、フルオーケストラ、ピアノ。Hiphop要素が入る時はドラム(たぶんサンプリング系)、シンセサイザー。ほぼストリングスですかね。
主題曲はストリングス、フルート、クラ、クワイア、すっごいキンキン鳴るピアノ、ドラム、たぶんシンセベースと、こざっぱりしつつもジェントルメェンな雰囲気のある聴きやすい曲。好きです。
オシャレな雰囲気、クラシカルな要素が好き、でもちゃんと現代と中々学びのあるサントラです。
ところで、黒人が主人公の話って大体Hiphop入る気がするんだけどお決まりなのかしら。
TENET
面白かった!!!
時間を使ったトリックが満載の映画なんですが、これ撮影側はマジで全く意味わからなかっただろうな…。ノーラン映画は本当に独特の面白さがあって良い。脳を引っ掻き回されるというか。
この映画のサントラは大変ありがたいことに、楽曲を担当したLudwig自らが使った音源、機材などを動画で解説してます。この曲はFREEPORTかな。
Moogのシンセやelectronのドラムマシン等をAbleton Liveでコントロールして、NIのMASCHINE、Spitfire AudioのLABSなどを使ってますね。あとなんかプラグインとか実機エフェクタとか。
ぱっと見は真似できそうですが…ここまでシンプルにまとめるまでに至るのが当然大変なので…。
サントラではこのほか、収録しただろうストリングスやホルン、クワイア、エレキギターなども混ざってきます。
サントラ全体的にジャンルの形容し難い、先ほど紹介したDARKのような”Cinematic”な内容となってます。
また、物語のクライマックス”中間地点”(クライマックスなのに中間って変だなw)では、順行する音と「逆行する音」が入り混じります。これは話見てればどうしてこうなのかが分かると思う。
新しいサウンド感、表現を聞きたい人にすごくオススメです。これが2020年か!ってなる。
個人的なまとめ
ここにまとめた以外の、3年以内くらいに作られたドラマ・映画のサントラも漁りましたが、まずシンセサウンドの理解は必須ですね。
パルスやドローン、パッドは作れなきゃダメで、使い方としては緊張感や焦り、漠然とした恐怖などの表現で頻出する。
シンセって言ってるけど、大体アナログシンセ系だなぁって感じはする。FM特有の金属感はあんまり聴かない気がする。
それから、物語のバックグラウンドを表現できる楽器やスケール、リズム感などの理解も必須。
スラブ神話ベースのファンタジーなら東欧系、フランスの殺しはしない・スマートに盗む・女性には花を残す怪盗ならフランスムードたっぷりの曲。
物語性はあるもののシンプルなメロディラインだったり、2コードくらいの進行だったりが多く、雰囲気をいかに出すかに焦点が置かれてるのかなーって感想を受けました。
とは言っても、いかにも!というオーケストラサウンドの需要は戦争映画、ドキュメンタリー系、子ども向けアニメ…などなど需要は高め。
素養あってこそシンプルに絞れる、というものなので、オーケストラの勉強とシンセの勉強と必要なときは民族系の勉強と…ってなるのかなと。地獄かよ。
こんなところでしょうか。また色々聞いて発見あれば書きます。