良いミキシングとマスタリングとは余計なことをしないこと(たぶん)

良いミキシングとマスタリングとは余計なことをしないこと(たぶん)

たまには考え事をだらだらと書きたいな、と思って書き始めました。

なので、今回のこの記事はいつものみたいに「読めば何かを得られる!!」ってわけでなく、ilodollyってヤツは最近こんなことを思ってるし試してるんだなってのを知れるだけです。

軽い暇つぶし程度に読んでください。


良いミキシングやマスタリングはリスナーを音楽の世界へと誘う

いきなりやべえこと書き出したよ。どうしよう。

たとえば、無駄にデカい音のドラムが他の楽器をかき消す瞬間があったとするじゃないですか。ズドーーーーーン!!後ろでなんかチャカチャカ鳴ってるーみたいな。

それが俯瞰して聴いた時に効果的なものであればいいんですが、全然意図的でない音だったらどうでしょうか。違和感を覚えるだけですよね。

この違和感ってのは覚えた瞬間に曲を聴く集中力を奪い、なんかでけーなぁ…みたいな、音楽とは全然別の方向に意識が向いちゃうんですよね。

そうなるともう、リスナーは音楽っていうか「音」を聴いちゃう。これって作曲がんばった側としては最も避けたい事態かな…と。

その違和感を生まないことが、ミキシングやマスタリングの最も重要な目的だと思うんです。

それをカッコつけて言うと、見出しみたいな電波受信したようなオカルト的なことになりました。

フェーダの調整が一番重要であってエフェクトしのごのってのはマジで補助

これはガチ。

全トラックがいい感じに馴染んだかどうかってのは、音量バランスが超良い感じに固まったかで決まる。

左右のバランス、奥行きのバランスと3次元的に聴いて来たよこのバランスよ!ってなるまでフェーダをいじいじし続ける。これよ。

つらい。

ついでに言うと、オーケストラ系の音源はマイクの設定だけでかなり印象が変わる。ここもドンピシャになるまでいじいじしなきゃいけない。

リバーブエフェクトでは得られない広がり、エンハンサーやサチュレータなどでは付かない「音の広がり・厚み」の調整ができるんですよね。

ホントつらい。

OTTとかSub bass Enhancerとか極端なエフェクトは音作り・編曲の段階

以前、Epic系の音作りーって動画を出しましたが、あれは音作りの話であってミックスじゃないんですよね。※あくまで私の中でね!

https://youtu.be/Ve7l8JajMdU

サムネの顔こわ。

音作りとミキシングなんてただの言葉のあやだろっていうのもわかるんだけど、その辺を明確に分けていないと「いつ、どのタイミングでやるべき作業か」がわかりにくくなって、いつまでも画面と睨めっこする羽目になる。

音が馴染まないのはミックスのせいか、それとも音作りかって。

先の動画で出した様な「音作り」は曲の雰囲気に関わる「編曲作業」の1つとして捉えて、できれば打ち込みながら決めちゃいたい部分だなと。思いました。

リバーブはミキシング作業

リバーブって死ぬほど意味わかんないエフェクトだなって、打ち込みはじめて10年くらいたってもいまだに思う…。

挿すとすごく良く聞こえるのに、翌日聞くと「かけすぎだろこれ!!」ってなるし、じゃあOFFにすると「うわ、めっちゃドライ…浮いてる…」ってなるし。

最近はWet8%のリバーブですら上に書いたトラブルが起こってる。本当に難しい。

もうひとつの使い方として、ソロでめっちゃ輝かしく鳴り響くための大袈裟なリバーブ。大好き。

これは編曲の一部かなぁ…って思う。響かせる必要があるかは編曲の段階で気付くし。

いま確実にわかってることは、リバーブはミキシングの一番キモである「全体をいい感じに馴染ませる」のに最も必要なエフェクタだってことです。と思っとる。

リバーブはとことんこだわって良いよ。

コンプ、EQは編曲ではどうにもならんところを整えるために使う

バッキングのつもりで鳴らしてるのにどうしても前に出てしまう、楽器の特性上どうしても強く鳴る帯域がある、全体を聴いたときに数カ所どうしても音が飛び出る、溜まる帯域がある。

こういう時の対策にコンプやEQを使う。

もちろん真っ先に改善すべきは音量バランスなんだけど、単純に音量を下げるだけでは解決できない箇所が出てきた時にコンプやEQの出番だなーってのが最近の私のやり方です。

ただ、サイドチェインとかワザとらしく引っ込むコンプは、音を並べてはじめてやった方がいいかもなーって気が付くのでタイミングが難しい。

難しい…。

ボーカルエディットはサボった方がいい

この場合のエディットってのは、エフェクトを使ったピッチ修正・リズム修正らへんですね。

エフェクトによるピッチ修正って本来はやらなくていい作業ですからね。だって不自然だもん。

それをやるより先に、何本も録音してもらって各テイクの良いところを不自然ない感じに切り貼りした方が絶対に良い。何回も歌うからボーカルさんも上手くなるし、何より音が自然だし。

それでもどうしても届かない、納期に間に合わないっていうのがあるんで、ピッチ修正が発生しますわね。

リズム修正は特にやらなくて良いと思ってる。というのは、若干のズレはボーカルさんの個性だから。

打ち込みみたいにドンピシャで合わせられるよ!!!っていう人はまずいないので、もうちょっと早く!とか遅く!とかそういうのって出来ないじゃないですか。いや出来るんか?

いずれにせよ、音を取るタイミングについてはそのボーカルさんの気持ちいい様に取ってもらった方が、聴いてるこっちも気持ちいいからね。

あくまで補助的な修正だけに留めた方が無難だなって思います。

マスタリングはただの音圧上げじゃない

マスタリングは魔境過ぎて答えが本当に分からないんだけど、ミックスダウンしたものを単純にリミッターにブチ込むだけだとのっぺりするなってのは分かってる。つもり。

丁寧なミキシングを行えてない証拠だ!!と言われたらぐうの音も出ないんですけど、音圧を単純に上げていくとミックスダウンで生まれた粗もめちゃくちゃ分かりやすくなっちゃうんですよね。

混ぜた結果生まれた音の粗ってのは、やたら強調されてる帯域だったり、時々発生する妙なピークだったり。

そこをキレイに整えるのがマスタリングじゃないんかなーって、思うんだけどまぁー単純な粗取りだとなんかつまらん音になる不思議。辞めていい?誰かやらん??

結局は自分の耳が一番大事

バランスがどうとか音抜けがどうとかって、Insight2みたいなアナライザーでは絶対にわからないんですよね。

アナライザーでわかる情報ってのはあくまで数値的なものなので、人の思う「ちょうど良い感じ」ってのは見えない。

とはいえ、音を聴く環境が中途半端だとどんなに耳を澄ませても聞こえない音、情報ってのはある。だからスピーカーやヘッドフォンを取り揃えていく必要がある。

モニタースピーカーおすすめTOP7【DTM・ミキシング・マスタリング向け】

はーーーー金かかる!!

ちなみに、お金をかける順番はエフェクタよりもこういう音の出口だと思ってる。できれば単価安くても色んな種類を持っておきたいですね。

あとヘッドフォン、イヤフォンは極力使わない。

耳って消耗品でダメになると回復しないので、ヘッドフォンみたいに音が密着する状態かつバカでかい音で作業しないようにね。


考えながらやらないことにはいつまでも正解が見えないから黙ってやります、すいません長々と

以上、雑記でした。

ミキシングは魔法じゃない、大体の失敗は編曲にある。これは確定なんですが、それにしてもいつコレ!って方法が見つかるんだろう…。エフェクト選びも永遠に終わらんし…。

がんばりましょう。